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Porchetta(イタリアン ソーセージ サンドイッチ)
外はパリッと中はジューシー。
(2019/8/15)
レストラン
目印の看板。
時間帯によってテラス席が気持ちいい。今日は時間が早かったせいか、テラス席をカバーするひさしが準備されていなかった。
メニューはいたってシンプル。ポルケッタのパニーノ(サンドイッチ)か、ポルケッタのサラダか、付け合わせの野菜がつくポルケッタのランチセットか。
ブロンドのかわいい女の子に勧められたので頼んだシャンパンを使ったアップルスプリッツァー。
ポルケッタ以外に何かこのお店らしいものは?と聞いて出てきたのがこの自家製ハム、レタス、ナス、自家製マヨネーズのMortadella$9.50。ポルケッタと違ってソフトなフェミニンな味。
定番ポルケッタのパニーノ$9.50。イタリア人オーナーのレシピでグリルされたポークは、評判通りの外ぱりっ、中ジュワッ!
ポルケッタのパニーノPolentone$9.50。マスタードが効いていて、夏のテラスでビールと一緒に頬張りたい味。
さっぱりした店内。
気兼ねなくささっと出入りできる雰囲気。
残念だったジェラートマシーン。
 リトルイタリーのMilanoに買いに行く食材がいくつかある。Milanoが食材店として特別素晴らしいという話ではなく、ニョッキやパスタの生地を作るのに、なぜかイタリアの小麦粉の方がうまくまとまる。Kimboのコーヒーが日本で買う価格の半分ぐらいで買える。キノコのオイル漬けが大瓶で買える。とかそういうレベルだ。

 冬は足が遠のき、夏は頻繁に行く。マルシェ・ジャン=タロンでの買い物の前後に、エスプレッソを飲んだりやカノッリをつまむをも楽しみのひとつ。今日は、マルシェでナスとバジルの爆買いをした後、マスカルポーネや諸々を買いにSaint-Laurent通りのMilanoまでやって来た。買い出しの疲れと空腹感がピークに達し、真向かいにあるPorchetta(ポルケッタ)に入ってみることにした。3年ぐらい前にできて、夏は平日でも結構賑わっている。

 店内は思ったより狭く、意外にさっぱりしていた。常連さんらしい女子グループ3人と、ベビーカーの家族連れ、60年代のイタリア人のような大人のカップルがいる。

 カウンターで女の子に注文する際、スペシャリティは何か(ポルケッタであるこはわかっているけれど)一応聞いてみる。「イタリア人オーナーのレシピで時間をかけてローストしたポークがポルケッタよ。すごいいいポークを使ってるの。パンで挟んだのがパニーニ、サラダにしたのもあるし、後はランチセットにもできるけど、付け合わせのズッキーニが今日はもう終わっちゃったわ」。思った通りの答えだったので、安心してポルケッタのサンドイッチ(パニーノ)の定番Classico $9.50と、マスタードのソースのPolentone $9.50をお願いする。さらにそポルケッタ以外になるべく自家製のもので作っているもはないか聞いたら、自家製のハムで作ったサンドイッチMortadella $9.50があるというので、それも頼んだ。「シャンパンを使ったアップルスプリッツァーはどう?」と勧められたので、ではそれも$6.00x2。レジの横に、カプセル式のエスプレッソマシーンのようなジェラートマシーンがあって、それもどんなもんか見てみることにした。$5.00 x 2。

 定番のClassicoは、美味しいポルケッタの代名詞「外はパリッと中はジューシー」なポークが挟まっている。隠し味っぽく入っているバジルペーストがさわやかで美味しい。自家製パンは中身を引き立てる素朴な味、武骨な見た目とは違ってしっとりした触感。Polentoneは同じポルケッタを挟んでいるが、マスタードの弾ける香りでClassicoとは違う食べ物のような印象でこれもよい。アップルスプリッツァーではなく、ビールを頼んで外の席でたべるのが8月らしいかもしれない。オマケで注文してみた自家製ハム、レタス、ナス、自家製マヨネーズのMortadellaは、ポルケッタと一変して、柔らかく優しい味わいだ。N.Y.あたりだったら差別的発言として苦情が来そうだが、女子供をイメージさせる味の柔らかさがある。不思議なのが、ハムもポークも特別好きな食材じゃないのに、もっと食べたくなる誘う味わいだ。一転して、ジェラートにはがっかりだった。カプセルをセットして、取り出し口の下にカップを差し出してジェラートが出てくるのを結構な時間待つ。押し出されて出てくる様子もあまり美しくなく、すぐに溶けだして液体化するし、決定的なのは味が全然ジェラートっぽくない。

 ポルケッタのパニーノに、半熟卵をいれたり、グリルしたチーズを入れたり、ケベックっぽいテイストをいれるのがモントリオールの男性には人気らしい。メニューにはなかったので(そもそもメニューもほとんどイタリア語で書かれているので確信はないが)頼むときに要相談ということなのだろうか。

 実は、店に入る前、ちらっと人のコメントをチェックしてみた。一番多いコメントの類は、「美味しいけど、高すぎる!」だった。美味しいならいいじゃないか!と思い入ったのだが、実際、60ドル以上払ってみると、あれ?っとは感じた。買い物帰りに軽くつまむ程度のはずだったのに。ただ、なんちゃってアップルスプリッツァーとジェラートなんかは頼まず、サクッとポルケッタのサンドイッチだけかじって帰ればよかったのかもしれない。ここは、そういう使い方がもしろ正統なのだろう。そう思うと、買い物の寄り道で気軽に使うにはやっぱり悪くないのではないかという印象。

 ポルケッタの後は、美味しいエスプレッソが通りで待っているし。当然私たちも、向かいのCaffè Italiaに吸い込まれたのだった。

Porchetta(イタリアン ソーセージ サンドイッチ)
6887 Boul Saint-Laurent
最寄り駅:Jean-Talon


取材・文:稲吉京子