|
日本の友達と冬はやっぱり鍋だよねーと話していると、フランス人の友達がフランスではラクレットだなーと話に入ってきた。ラクレットとはチーズの銘柄でもあり、料理の名前でもあるそうだ。ラクレットチーズを温めてとろとろにさせて、茹でたり又は蒸かしたジャガイモにのせて熱々をいただくという、聞いただけでも冬にぴったりな料理だ。山にスキーに行くと食べる定番の料理の一つだそうで、味もさることながら寒い環境の中でスポーツをする人達に必要な高カロリーが手早く取れるという好都合料理でもある。
ラクレットチーズはコクがあり、かつやさしい味であわせる食材を選ばない。前菜としてラクレットを食べるときはジャガイモと一緒に、又メインディッシュとして食べるときは、どっしりとした厚切りのハムやステーキなどと一緒に食べるなど食べ方がいろいろある。チーズフォンデュよりもお手軽ということもあり、家庭料理として人気だそうで、電気屋の家電コーナーにはラクレット専用プレートというものが置いてあり、大体5〜6人用のセットで、手のひらサイズのキットで各自がラクレットチーズを一切れずつテーブルの上でいっぺんに温められるという優れものだ。 プレートを使わない本格的なラクレットの食べ方は、小粒のジャガイモを皮ごと茹でハムや乾燥肉などを切り分け、チーズの大きな塊をオーブンの火であぶって、とろけたところを取り分けてジャガイモ等と一緒に食べる。友達曰く、昔からこの食べ方はありチーズの名前は(Racler=削る)から来ているのだとか。
私は前菜にポタージュスープを頼んだ。かりかりしたクルトンとしっかりした味のスープが食欲をそそる。メインのラクレットは、ピクルスが入った大きな瓶と共にやってきた。驚いたことに、とろけたラクレットチーズが皿一杯に覆われていて、その上にジャガ芋、生ハム、乾燥牛肉がのっている。皿は熱くなってはいるが長くは持たない。みんなチーズが熱くて柔らかいうちに、と会話も少なく大急ぎで食べた。想像したのと違いちょっとがっかりしたが、味自体はとても良かった。チーズは表面に程良く焦げ目がついていて香りが良い。添えてある生ハムや乾燥肉ともよく合う。ピクルスはスーパーで買うのと違い断然新鮮で、酢が利いていてしゃきしゃきしている。チーズでまったりした口の中をピクルスで口直しして、またチーズに戻る。これは日本でいうとカレーとらっきょうのようになくてはならない関係のようだ。 もちろんラクレット以外にもメニューがあり、ティラピアとエビのシーフードソース$23.95、厚切りの子牛肉のステーキ$19.95,チーズフォンディュ(2人から)$21.95(1人分)等。デザートは洋なしのオーブン焼き$5.95,マロンアイス$5,95等がある。 ラクレットを食べたのはこの店だけだが、ケベックではこういう食べ方が一般的なのだろうか? だとすると、ケベックの人達はヨーロッパの人より食事をする時間が短いのか?場所が変われば食べ方も随分変わるものだと感心した。 | ||||||
La Raclette(スイス料理) 1059 Gilford (514) 524-8118
| ||||||
取材・文:坂井 桂子 | ||||||
過去のレストラン | ||||||
当ホームページ内の画像・文章等の無断使用、無断転載を禁じます。すべての著作権はFROM MONTREAL.COMに帰属します。情報の提供、ご意見、お問い合わせは「左メニューのCONTACT」よりお願いします。 Copyright (c) 1996-2007 FROM-MONTREAL.COM All Rights Reserved |