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週初めのお昼、オフィス街でもなければ、人で賑わうような通りでもない。通りの向こうからY Lanを見ると、ひっそりとして見えたので、私しかお客さんいないかもと思って中を覗くとびっくり。結構大きなフロアーは8割方埋まっていた。わざわざここに食べに来たという人ばかりのようだ。モントリオールのベトナム料理の店で失望した経験が多いせいか、防衛本能から安全牌のPhoのページを探してしまったが、タムの「まず、ランチメニューから試してみて」という言葉を思い出した。その時の私の懐疑的な態度を見てとってか、最初からあまりわからないものを頼まなければ、万一がっかりしても、気分的にもお財布的にも傷が浅くて済むと思ったのだ。 ベトナム料理店では、足切りラインに到達しているか見るため必ず生春巻き($3.75)を頼む。ここでは、生春巻きに慣れていない友人のために揚げ春巻き($4.10)も別に頼んだ。安全牌は捨てて、ランチメニューから頼んだのはこれ。 ・牛肉と野菜のあんかけカリカリ麺 $11.00 ・鶏肉のグリルとご飯$9.50 生春巻きは合格。劇的に美味しいわけではないけど、やっぱり美味しい!もう一つ頼みたくなる。揚げ春巻きは、いい香りがして美味しい、と同席した友人はいう。カリカリ麺は、あんがカリカリの麺と絡んでいるところと絡んでいないところとあり、いろんな歯触りが楽しめる。ブロッコリー、長ネギ、ズッキーニ、人参などの野菜もしっかり入っていて、ソースがジューシーでいい味だ。麺と具とソースを合わせながら食べる。鶏肉のグリルの方は、鶏肉自体はよくマリネされていて美味しかったのだが、それだけがライスの上にちんまり乗って出てくるのでまいった。サラダは同じ皿上についていたが、副菜になるようなものは一切ない。白いご飯の平原の上に、鶏肉のグリルは可笑しく悲しい。ライスではなく、細麺の方を選んでいたらもう少し違ったのかもしれない。気づいたのは、ジェネラル・タオが盛んに運ばれていく。タムも言っていたが、男性客にこのファンが多く、彼の同僚も行くと必ずジェネラル・タオを頼むのだそうだ。 「普通に美味しい」の意味がわかった。チャイナタウンや、行き当たりばったりで飛び込むベトナム料理屋のレベルからは、突出している。洗練された美味しさではないけれど、ちゃんと美味しい、普通に美味しいのだ。なぜ火曜の昼すぎに人通りのあまり激しくないこのロケーションでこんなに人がやってくるのか、この辺りが理由だと思われる。この感じでいくと、おそらく、Phoや他の本格的なベトナム料理も美味しいのだろうと想像する。夜も賑わうという。必ずお茶を頼むという隣に座った男性二人組は、2週間に1度は来ているという。付け合わせの生のもやしやバジルも、綺麗な新鮮なものが出てきた。デザートは$4.25でタピオカや小豆を使ったものがいくつかある。ベジタリアンのプレートもあった。ワイン持ち込みも可だ。 ランチで様子がわかったので、次回は店の実力がわかるものを試してみたい。例えば5ドルからあるPho。Phoはスープのうまさがかなりの部分を決めるのではないかと思う。今日食べたカリカリ麺のソースからして、他のソースやスープ作りもうまいのではないか、という仮説を元に、もう少し寒くなったら熱々のスープでPhoをすすりに行ってみようと思う。 Y lan(ベトナム料理) 6425 Rue Saint-Denis (514) 495-3812
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取材・文:稲吉京子 | |||||||||||||
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