以前、ふらふら街を散歩していて小腹がすいたので何か軽く食べようと思い、ふと目に付いたピザ屋に入るとピザの脇に意外にもロシア料理が置いてあり、思わず注文したら予想外においしかった。ひと手間もふた手間かかる料理を置いているのに、外にはピザ屋の看板がかかってるなんて道行く人が気付きにくそうでもったいない!というのが第一印象だった。

 店は地下にあり、通りから見ると上から見下ろすようになる。数段階段を降りて何だか前とちょっと変わってることに気づいた。窓にピザやハンバーガーの写真付きメニューが貼ってない!店の名はキャバン(フランス語で洞穴という意味)といい、そこから来たのだろうか、ディズニーランドのアトラクションにあるような岩の表面っぽい壁紙やタイルなどで“洞窟の中にある秘密のレストラン”な雰囲気を演出している。

 ロシアは冬が長いので保存食が発達している。キャベツやニンジンなどのピクルス、果物の砂糖漬け、日持ちの良いジャガイモも定番だ。メニューを見ると見覚えのある名前が並んでいて驚いた。そういえば日本にもロシアから届いた料理がたくさんあり、ロールキャベツ、ビーフストロガノフ、ピロシキなど馴染み深い。また、イクラという名称はロシア語で魚の卵という意味だったりなど、そのまま日本語になってしまった言葉も数多いようだ。

ペリメニといい餃子のような食べ物。
注文が入ってから揚げるピロシキ。
ちょっと暗めで落ち着いた雰囲気の店内。
 前菜のスープに、ボルシチ$2.99、メインにホームメイド・ポット・ロースト$9.50、友人はドルマ・バイン・リーフ・スタッフド$8.99を頼んだ。ロシアでボルシチは日本のみそ汁のような存在で、地方によってまた家庭によって味付けは少しずつ変わってくるらしいが、ここにあるのはウクライナ風で、ビーツ、芋などがごろごろ入っている。(モスクワ風はソーセージ、牛肉が入っている。)じっくり煮込んでそれぞれの素材の旨味がにじみ出たスープの真ん中にスプーン一杯ほどのスメタナ(濃いめのサワークリーム)がぽっとり入ってる。混ぜるとコクがでて少し甘みが増す。付きだしで出てくる黒パンは歯ごたえがあってちょっと酸味がある。そのまま食べるとぱさぱさしてるが、スープに浸して食べると酸味がスープの甘みと混ざり合って新たな味に変わる。

 ホームメイド・ポット・ローストは、オニオンスープ用の鍋のような取っ手の付いた器の上に、パン生地を蓋の代わりにかぶせてオーブンで焼いてある。パン生地の蓋を破ると、これもよく煮込んである芋と肉などが入っていて蓋になってたパンと一緒に食べる。日本の肉じゃがをこういう風に食べてもおいしいかも、とふと思った。

 ドルマ・バイン・リーフ・スタッフドは、ご飯と牛肉のミンチをブドウの葉で巻いたものでにぎり寿司くらいの大きさだ。スメタナとトマトベースのチリソースをつけながら食べる。ミントが入ってると書いてあったが香りはしなかった。ブドウの葉が食べられるというのが意外だった。火を通してもしっかりした歯ごたえがあり、味はほのかに渋めだ。

 お酒もあり、ウオッカのコーナーはさすが他のお酒と比べて種類が多く、25ミリリットル$2.50から1リットル$75.00まで細かくサイズを選べる。ロシア人らしい家族を見てると、私たちが日本酒を飲みながらご飯を食べるように、よく冷えたシューターサイズのグラスを片手に食事をしている。それにしてもみんな、がんがん飲む。

 店長の話だと、半年前ピザ屋をやめてロシア料理だけで営業していくことに決めたらしい。メニューも近いうちに増やして、もっとレストランぽくしていく計画だそうだ。又、金曜、土曜日は20:00から23:00まで生バンドもあり、テーブルさえあいていれば食事をしながら音楽も楽しめる。余談だが、かごの中の黄色い小鳥が店のマスコットとしてキッチンのそばにいるにいるのだが、私が食事してる間、絶え間なく自分の存在を主張していた。バンドが演奏するときはどうするのだろう?今度又行って調べてみようと思う。

Restaurant La Caverne(ロシア料理)
5184 Côte-des-Neiges
(514) 738-6555
Côte-des-Neiges
月・火・水・木・日11:0022:00
金・土11:0024:00
取材・文:坂井 桂子
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