夜10時まで、いつもグリルしたてのポルトガルチキンが食べられると評判。
ポルトガルのエッグタルトnataは素朴で悪くない。朝食にコーヒーと一緒に買って行く人が多いという。6個単位で買うと少し安くなる。
デザートの種類がかなり豊富で驚く。味にも少し驚いた。ミルフィーユなどは評判がいいと言うが…
お店の人気ナンバー2のハーフチキン。写真では大きさが感じにくいが、チキンはポテトの下にも埋れている。女の子は持ち帰り用の容器を持って行くといいかも。
イカグリル。チキン屋のイカ焼きには意外性と親しみやすさがある。このメニューの考案者は、魚介類の調理を知っている人じゃないかな。プリプリ。
残念だったフラン(焼きプリン)。家で作って失敗したときのフランの方が美味しいかった。
ポルトガルチキンの店にきたら、エッグタルトnataも試さないと。他のレトロケーキはハズレだったが、nataはお土産に、朝食に、オヤツに役立ってくれそう。
予想はしていたものの、エクレアにがっくり。味蕾の構造が違うとしか思えない。
ケベックのソウルフードといえば、こちらが元祖かもしれないLa Banquiseが向かいに見える。プティン専門店でなきゃ嫌という訳でないなら、Ma Poule Mouilléeのメニューがおすすめ。ボリューム、コスパ、新鮮度全ての点で納得。
メニューがシンプルなのが助かる。特大のお皿に桜島のように盛られたチキンのプティンが、実は大人気メニューらしい。かなりの人がこれを目当てに来ているようだった。
 服の入れ替えと、師走並みの床・壁掃除、犬のベットを2度洗い、ソファーカバーは4度洗いして疲れ果てたところで、今日がサンクスギビングだと気づいた。そういえば、スーパーのチキン売り場に、いつもの3倍の大きさの塊を見かけた。あれはターキーだったのか。労働を労い、持てる豊かさに感謝すべく、日頃食べないものを食べに行くことに。

 Ma Poule Mouillee。フォンテーヌ公園からほどないrachel通りにあるポルトガル・チキン専門店。モントリオールでは不思議と、ポルトガル・チキンの需要も供給も高い。どのエリアに行ってもたいて1店舗は見かける。グリルしたチキンをピリ辛ソースで食べるというのが通常のスタイルだ。店に入るとすぐに、列になった丸ごとチキンをグルグル回転させながら直火で焼いているのが見える。常に焼きたてジューシーなチキンが食べられるため、店は昼夜問わず人でいっぱいだ。評判がすこぶるいい。半信半疑のまま頼んでみたのは…

ハーフチキンとサラダ+フレンチフライ $12
イカのグリルとサラダ+フレンチフライ $15
エクレア $2.50
フラン $3
ナタール $1.70

 チキンの店でイカを頼むのもどうかと思う。ただ、色々あるわけではないメニューの中で、イカのメニューを用意しているところに、作り手のパーソナリティを感じた。食べれば納得の理由があるのかも。待ち時間ゼロのチキンと違い、10分ぐらい時間がかかるけれどいいか?と聞かれ、ますます頼む気持ちが固まる。イカの皿が出来上がるタイミングで、チキンの半身も出してくれるというので、混み混みの店内の隅に、2席だけの窓際のカウンターを見つけ、そこで大人しく待った。

 出てきたのは評判通りのボリューム。山盛りのフライドポテトの清潔な色が嬉しい。チキンは、炭火焼風の表面の香ばしさと、よく染み込んだソースの味がいい。ポルトガルチキンといえば、辛いソースというイメージがあるけれど、ソースに辛さは感じなかった。サラダとナチュラルなポテトとの組み合わせに好印象を覚えた。この類の料理には、ケベックで暮らしているんだという気持ちにしみじみなる。

 そして、ポルトガルチキンの店のイカ。ポジショニングが難しいのだが、端的に言うと、座布団に値するメニューだと思う。グリルされた小ぶりのイカ4杯(も!)はブリブリの食感で、日本人にはお馴染みの魚介類を炭火で炙った時のあの香ばしい味が味わえる。「生姜と醤油で」とはいかないけれど、玉ねぎ中心のセビーチェっぽいソースを合わせている。ザクザクしたサラダは食欲を刺激するし、ポテトは茶色くべっとりではなく、白くさっくり揚がっていて、味付けも塩胡椒とシンプルだ。コスパ賞をあげたい。

 さて、デザート。ポルトガルチキンときたら、nata(エッグタルト)を無視するわけにはいかない。デザートのセクションには、レトロな見た目のケーキがたくさん並んでいる。戦後日本のケーキと言ったら言い過ぎかなぁ。nata以外には、被害が少なそうなエクレアとフラン(焼きプリン)を試してみることにした。エクレアとフランは予想通りシェアできないコメント。nataは合格ライン。サイズ感もいいし値段も手頃なので、ご近所さんへのお土産に12個買うことにした。

 ひとつ気持ちがいいなと思ったのは、注文のシステムとサービス。まず、入口付近のもくもくチキンを横目に、カウンター越しに、キッチンスタッフに直接注文をする。長いカウンター沿いに奥に進み支払いをすませ、好きな場所に席を取っている間に、注文したものがピックアップできるようになっている。注文を取ってくれる人も、会計の人も対応がさっぱりで清々しい。ティップが発生しない流れの中で、自然と起こるコミュニケーションは健全で後味がいい。

 モントリオールのポルトガルチキンは、ソウルフードになりつつある。ケベック発祥の食べ物ではないけれど、網に挟まれたホールチキンが回転して焼かれる様子は、すっかりこの街の景色になっている。色とりどりのバックグラウンドを持つ20、30、40代のケベックの人々は、みんなこの食べ物、食べ方が好きだ。愛すべきケベック。愛すべきコションネリ。

Ma Poule Mouillée(ポルトガル・チキン専門店)
969 Rachel Street East
Mont-royal

取材・文:稲吉京子
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