Gozleme$8.95Sadjという弧を描いた鉄板の上で焼かれる。別の具も試してみたい味。
Manti$15.75オスマントルコの味!らしい。かなりヨーグルト的クリーミーなひんやりした一品。
丸い塊が、牛肉をラビオリ状にしたもの。ヨーグルトソースの中にたっぷりと浮かぶ。スパイスもエキゾチック。
この薄焼きのパンは注文が入るごとに、マダムがSadjという鉄板で焼いている。
あまり歓喜したくない人向けの平凡デザート。$4.00
店のアリー曰く「やばい」美味しさ。バクラヴァ$4.50
 映画を見て外に出ると、とっぷりと日は暮れ、お腹が猛烈に空いていた。寒いし、あまり歩かず、何かほかほかしたものが食べたい。Sainte-Catherine通りのガラス越しに、大きな鉄釜を伏せたような鉄の板の上でホカホカしたものを焼いている姿が見える。小麦粉の焼ける暖かい匂いが漂っている。ダウンダウンでは食べるものにいつも困るが、用事の帰りにサッと寄れて、駅から近いし、「これだ!」と思い店に入ると、トルコ料理のレストランだった。店の名前はAvesta

 あの鉄板の上で焼かれるメニューはどれかと聞く。薄い大判のクレープ状に焼かれるパンは、どのメインメニューにも付いてくるという。トルコの食べ物はケバブ以外ほとんど知識がないので、この店に来る人たちは、何を食べに来てるのか、と聞いてみる。ケバブやバーベキューではない、何かスペシャルなものが食べたいんだ、と伝える。アリーは意図を汲み取って、幾つか提案してくれた。その中から、聞いたこともない感じの2皿を頼んでみた。

好き嫌いが分かれると思われるトルコの伝統的飲み物Ayran$2.75。
デザートを頼むと、紅茶が付いてくる。
St-Catherine通りからマダムがパンを焼くのが見える。ひらひらくるくるあっという間に生地は薄いクレープ状に焼きあがる。
トルコ人の知り合いに言わせると「あのレストランは家庭料理を食べるところだね。」
リラックスできる照明。
Manti$15.75
オスマン帝国のレシピだという。東ヨーロッパ、西アジア、北アフリカ、地中海地域半分を治める大国家にまで成長した、猛々しいイスラム王朝の姿を思い浮かべるが、説明を読むとなんだか優しそうだ。牛肉をラビオリのような状態に包んで小さなボール状にしたものが、ニンニクとパプリカやオレガノなどのスパイスで風味づけされたヨーグルトソースに深々と浸かって出てくる。真っ白なソースに、スパイスの色が鮮やかだ。暖かなものを想像していたら、冷んやりしたものだった。ヨーグルトの酸味と、小さなボール状のラビオリがトロッと混ざり合って、後味はさっぱり。スパイスとヨーグルトソースの相性も斬新で、目がさめるような印象。この季節には、メインというより、前菜として何人かでシェアするのにいいかもしれない。

Gozleme$8.95
こちらは、オスマン朝の源となったアナトリア(小アジア)のレシピ。4種類(ビーフとパセリ、潰したポテト、スパイスと和えたほうれん草、フェタチーズとほうれん草)の中から具を選ぶ。私は勝手なイメージでバルカン半島っぽい「フェタとほうれん草」のトッピングを選んだ。オーナーマダムらしき女性が、くるくると長い麺棒を使って、あっという間にうすーく伸ばしたパン生地を、通りから見える鉄板の上にひらっとのせて、ふわっと宙を舞うようにしてひっくり返して焼き上げる。これがGozlemeだと思ったら、違った。これは食事についてくるパンだった。

 マダムは薄いパンを仕上げた後、別の少し厚みのあるパン生地を鉄板の上に広げた。用意してあるほうれん草とフェタチーズを生地の半分に乗せて、様子を見ている。何も載っていない半分の生地を鉄板からもちあげ、具が乗っている方に二つ折りに重ねた。ほかほかの匂いが店中にする。半円状になったパン全体を持ち上げ、ひっくり返したり鉄板の上を移動させたりしてから、鉄の板のような道具でざっくりざっくりと切り込みを入れる。すぐにサラダが盛られたお皿に乗せられて、私のテーブルに運ばれてきた。表面はカリッとし、パンの中からのぞいたほうれん草とフェタから湯気が上がる。すでに冬っぽい寒さのこんな夜には、こんなものが食べたかった。油も何も使わず焼き上げられたパン生地はサクサクし、中にスタッフされたねっとりした具と合わさって美味しい。

 早口のアリーは、Sadj Kavurma$17.75〜19.75も勧めてくれた。肉類のソテーだというので、何となく想像がついてしまって、エキゾチックなものを求めていた私は頼まなかったが、店の人気・オススメメニューだという。牛肉、鶏肉、子羊肉から好きなものを選ぶ。例の鉄板の上で、野菜と一緒にソテーされるということだ。

 お腹は満足状態だったが、デザートがケースの中にえているので、抗えず頼むことにした。バクラヴァはどこでも食べられるから外してー、と言ったら、アリーはうちのバクラヴァはやばいよ、という。一度頼んだものをキャンセルして、そのバクラヴァ($4.50)とおとなしそうなスポンジ状のお菓子($4.50)を頼んだ。紅茶が一緒に出され、デザートがすすむ。これだけ色々食べた後に、バクラヴァのフィロ生地にたっぷりのナッツ類、惜しみなく吸ったシロップの量を考えると、確かにやばいが、これは一口食べたら途中でやめることはできない味だった。スポンジの方思った通り凡庸だった。

 実は、Ayran$2.75というトルコで飲まれる典型的なヨーグルトドリンクだというのを頼んでみた。これは、好き嫌いが分かれる。これを飲むときの状況、体調や気分、天気や土地が大きく印象を左右するのではないかと思う。ざっくり言うと、塩味の乳臭いヨーグルトドリンクというところか。山羊乳からできた似たような飲み物をモンゴルの激乾燥、無毛地帯で飲んだことがあるが、自然と押し合いへし合いして生きているような環境では、極上の飲み物だったが、これを人のバックパックにはたき倒されないよう歩くモントリオールで飲みたいものではないかもしれない。塩の代わりに、メープルシロップとシナモンを少し加えたできない?と次回聞いてみよう。

Avesta(トルコ料理)
2077 Rue Ste-Catherine O
(514) 937-0156
Atwater
Guy-Concordia

取材・文:稲吉京子
過去のレストラン
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