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さて、バケーションから友人が戻ってきた。家庭菜園で採れたプチトマトを分けてくれるという。お礼にランチかワインでも。と考えると、テラスのあるレストランがいい。旧市街のSt-Paul west通りにあるTerrasse Nelliganなら、友人の仕事場にも近く便利だ。プチホテルのロビーを突き抜けて、奥のエレベーターから5階の屋上に登ると、全面テラスのレストランが広がる。 ランンチ時間を外した13時15分に入ると、好きなテーブルにつくことができた。屋根のないエリアだけれど、自然な日陰ができていて、サングラスを忘れたことが気にならないほど快適だ。 あまり真剣に聞く気はなかったが、一応おすすめをサーバーの女の子に聞いてみた。予想通りTable d’hôte $24を勧めてきた。いつもなら、そういう紋切り型のプロモーションには乗らず、アラカルトに気持ちが動くのだけれど、なぜか今日は素直に従うことにした。一緒に勧められたグラスワインも頼むことに。フランス、イタリア、オンタリオ産の5種類の白ワインから、フランスのロワール地方サンセールの白ワイン($14)を選択。もちろん、ロゼ、赤($10〜)の選択もある。 おきまりのセットメニューTable d'hôteは、下記の前菜から1皿、メインから1皿を選ぶ。 前菜: 1.スープ:トウモロコシ、チョリソー、エスプレット(フランス・バスク地方のエスプレットという町で生産されるマイルドで風味の良い唐辛子) 2.サラダ:ケール、ロケット菜、ザクロ、ブドウ、vino cotto(イタリア中部で昔から作られてきたブドウを煮詰めたシロップ。主に、果物やチーズと合わせるソースやドレッシングとして使われる。日本ではサーバやモスト・コットという名前で知られる) メイン: 1.鶏肉、ハーブのニョッキ、焼きズッキーニ 2.シマスズキ、ダイコンとキンカンのソース、ジャスミン米 3.カモのラビオリ
メインのカモのラビオリは、レストランらしく固めに茹であげてありワインと合う。どちらかというとジビエ料理に近い味わい。淡い酸っぱ味のあるフォン・ド・ヴォーが一筋垂らしてあるのがなかなか良い。飾り程度に乗ったセロリの葉とソースを絡めて頬張る一口に、また違った美味しさを発見する。メニューを見るとフォン・ド・ヴォーにトリュフが入っているようだけれど、それは全く感知できなかった。 セットメニューの全体量は少な過ぎず、かといって北アメリカ過ぎず、デザートがついていなくても口寂しい感じはなかった。食後にカプチーノ($4.5)を頼むと、ちょうど良い満足感があった。 その他、ランチのアラカルトには、ステーキ($34)、ケベックスタイルの和牛バーガー($28)、エビのタコス($19)、ハルミチーズ(ヤギと羊の混合ミルクで作る地中海地域のチーズ)のグリル($14)マグロのタルタル、和風ソース和え($28)などがある。夕方からは、4、5人でシャアできるピッチャー入りのカクテルやサングリアが人気のようだ。 収穫のおすそ分けのプチトマトを頬張りながら、陽が傾くまでモントリオールの端境期を楽しんだ。 Terrasse Nelligan(テラス・レストラン) 106, Saint-Paul St. W. 5th floor
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取材・文:稲吉京子 | ||||||||||||||||||||
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