前を通りかかったら、確実に覗いてみたくなるコージーな雰囲気。
今日はアメリカーノ($2)にしたが、深みがあって美味しい。カプチーノ($3)はいつ行っても裏切らない。この値段でこの味!
今日から新登場のマフィン。ケーキ類は早くなくなってしまう傾向あり。
イタリアンサラミとプロヴォローネ(チーズ)とナスのマリネのパニーニ。ciabattaの食感と風味がいい。
感じのいいこの女の子とおしゃべりに寄るお客さんも多い。子供連れのママや家族で立ち寄る客層も。
 カフェに多くを求めなくなって久しい。コーヒーの味、店内の快適さ、利便性、廉価性、界隈の利用価値などの全要素を満たすカフェと出会うのはなかなか難しい。それで、家にいろんなところから手に入れたコーヒー豆を揃え、優秀なエスプレッソマシーンを導入するようになる。sustainableな自宅カフェ環境が整ってしまうと、気持ちいいカフェで時間を過ごす楽しさはとうに忘れてしまっていた。ジョジアンヌとCafé Ferlucchiで待ち合わせするまでは。

 ジョジアンヌとは月に2、3回いろんなカフェで待ち合わせてコーヒーを飲む。私が指定するカフェも、彼女が誘ってくれるカフェも、コーヒーはまずまず美味しいが、いつも何かが足りなかった。仕事の前にも後にも寄れないような営業時間だったり、ラップトップのバッテリーがなくなったらさようならだったり、WiFiが機能している日はラッキー!だったり、私何頼んだ?と聞き返してしまう価格だったり、空腹を満たす食べ物を求めて3軒先の別のカフェに移動したこともあった。

 モントリオールの「いい線いってるカフェ」に共通して言えるのは、夕方早い時間にさっさと閉店してしまうこと。週中の夕方以降にしか時間が取れない私たちには、閉店と共に追い出される形で別れることがほとんどだった。ある時、彼女が夜遅くまでやってるCafé Ferlucchiを見つけてくれた。偶然にも、北イタリア出身のフェリックスから、ここのエスプレッソの評判を聞いていた。エスプレッソのカップを揺らした時、水の動きをするエスプレッソはダメらしい。ここのエスプレッソはイタリアで飲むエスプレッソに近い、とろみのある揺れ方をするという。この店でエスプレッソを味わって以来、今まで行っていたカフェには行けなくなったという。私とジョジアンヌがこのカフェを待ち合わせ場所にしてから、別のカフェにはすっかり行かなくなってしまったのと同じだ。

 さて、確かにフェリックスの言う通りここのエスプレッソ、コーヒー類はダントツにうまい。さらに、パニーニもうまいし妥当な価格だ。使うパンのciabatta(チャバタ)はかなり本格的で、外はカリカリ中はしっとりを絶妙に体現できている。中に挟む具はモルタデッラ(ボローニャ・ソーセージ)やサラミ、ターキー、プロヴォローネ(紐で吊るして熟成させるチーズで、ひょうたん型のものがよく知られる)、ナスのマリネ、赤ピーマン、ペスト、マスタードなどがある。メインの食材はイタリアのものを使っているのは明らかで、穏やかな曲線を描くような美味しさがある。その他にはサンドイッチやピザ、マフィン、ケーキやパイなどが常時あるが、サンドイッチ類は早くになくなり、夕方以降は当然選択肢が少なくなる。

朝も昼も夜も常に良い雰囲気の店内。コンセントの配置や数に対する気遣いもバッチリ。
外に座って冷たいカフェスムージーを飲む人が増えてきた。
 私は3種類のパニーニを試したが、いずれもぎゅうぎゅうに具が詰まったパニーニではないのに、全ての具材の味が一体となるせいか充実した味わいがあり、しかも間食ではなく1食としてしっかり成り立つ。バリスタの女の子にはリラックスした天然の感じの良さがあり、店に集まってくる人々も同様で、店一体に流れる気が良い。平日の夜10時、11時まで開いている個人店のカフェは貴重だし、同じ通りに並ぶ店も力みがなく、エリア自体に魅力がある。ナチュラル志向で地味目のお店を覗きながらCastelnau通りをプラプラ歩くと、何か好きなものが1つ見つかるようなところだ。ちょっと歩けばJean-Talonマーケットもすぐ。カフェのすぐ右隣の店は見る価値あり!カフェの楽しさを思い出させてくれたCafé Ferlucchiの評価する点をまとめておこう。

◆ エスプレッソやカプチーノがずば抜けて美味しい
◆ パニーニがアメリカ的ではなくイタリア的に美味しい
◆ 頻繁に行ける妥当な価格帯
◆ バリスタ、店、お客さんの雰囲気が何にも代えがたいほどいい
◆ ご近所さんのお店が充実している
◆ WIFI状態良好、電源の差し込み口多数!
◆ 朝早くから夜遅くまで開いている
◆ 駅に近いのに裏通りの静かさ

 6月25日(土)は1周年記念のバーベキューがあるという。通り沿いに設置された夏だけのテラス席は夕方から日陰になり、さらに長居をしたくなるはず。

Café Ferlucchi(カフェ)
432 Rue de Castelnau E
(514) 649-2150
Jean-Talon

取材・文:稲吉京子
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