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Agrikolに入ると、まず食べにきたのか、飲みにきたのか店の女の子に聞かれる。食べに来たと伝えると、とにかく満席なのでカウンター席かテーブル席で早く開いた方に案内すると言われた。ここは、夜遅くになるにつれカクテル目当ての客層が増えていく。もともと、カリブ海のビーチバーのような雰囲気を好むパティー好きの若者たちが集まる店だった。ところが、そこで出るハイチ料理の評判が評判を呼び、夕食を食べに来る人たちをも呼び込むようになった。私が目撃した月曜の夜8時前に満席だった様子からして、18時の開店とともに人でいっぱいになるという噂は大げさじゃないのかもしれない。人々の間にわずかに覗くカウンターにもたれながら、席が空くのを待った。すっかりハイチ時間の店内で、目が会う人々とにっこりし合いながら飲み物片手にのんびり待つのも悪くない。客層も年齢層も様々だが皆に共通しているのは、この場にいることを楽しんでいるということ。10分ほど喧騒に耳を傾けて、壁の模様を眺めているとカウンター席が開いた。心のこもったアイコンタクトをしてくるバーテンダーのお姉さんに頼んだのは次の4皿。 アボカドのサラダ $11 セビチェ $13(魚介類のマリネ) カシューナッツソースのチキン $16 プランテイン $5(料理用のバナナのフライ) すると、セビチェにもプランテインがついてくると教えてくれたので、プランテインの単品はなしにした。アボカドのサラダは、アボガドが見えないほどベイビーリーフが山盛りになり、くるみがどっさりと乗る万人向けの味のサラダだ。セビチェには、ホットな辛さにマリネされた野菜と、プランテインのフライが付いくる。セビチェ自体の量は山盛りとは言えないが、これらの付け合わせと一緒に食べていくと、ちょうどいい感じに胃に収まる。おせんべい状に平たく押しつぶされたプランテインがホクホクした主食となる。ホットな野菜のマリネはセビチェとプランテインを刺激的に結びつける名脇役。チキン料理は、カシューナッツの茶色いドロドロソースで占拠された様子のチキンとライスで、味もボリュームもかなりガツンとくる。一緒に来ていたディアンはC’est malade!と繰り返しつぶやきながら歓喜の笑みを浮かべた。 下記のようなハイチ料理を代表するメニューも大人気なのだそう。 Limbe $20 (コンクという貝のシチュー) Griot $13(漬け込んだポークのソテー) オックステールの煮込み $17 春夏は、開放感あふれる店の裏側にあるテラスに人々が集まる。去年のテラスシーズンは、屋外でグリルされるバーベキューメニューがあり、屋内の席とテラス席ではオーダーできるものがくっきり分かれていた時期があったが、これも変わりそうだ。今年はどんなメニューがどんな風に登場するのか?仲間と連れ立って、初夏の開放感と生きる歓びをシェアしに行こう! Agrikol(ハイチ料理) 1844 rue Amherst
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取材・文:稲吉京子 | |||||||||||||||
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