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Mont-Royal駅から山方向に向かう97番のバスに乗って、Du parcの角で降りる。もしくは、Place des artsから80番のバスで、Mont-RoyalとDu parcの角で降りる。Du parc上を北に少し歩くと、Lola Rosaの開放的なテラス席が見えてくる。モントリオールのベジタリアンレストランの中でも、先駆け的存在であったLola Rosaは市内に2店舗を構え、ベジタリアンレストランとしては比較的大きな床面積を持つ。老舗らしい堂々とした店構えや、メニューの豊富さからいうと、菜食になれてない人を連れて行ったり、店の選択に迷ったらここにしておけば間違いないという貫禄がある。 ベジタリアンといえば、葉っぱしか食べないウサギのような食事を想像しているフェリペ。タンパク質は豆類やナッツや種子類から摂り、野菜や穀類のなかでも高タンパクのものもあること、ボリューム感を出すために、オイルや塩分をはじめとするシーズニングをたくさん使ってしまうと健康食ではなくなってしまう落とし穴や、十分な知識のないまま闇雲に野菜だけを食べて不調になってしまうリスクもあること、などなど、いくつかベジタリアン食事法の基本を話した上で、メニューをみてもらった。 困った顔でメニューを眺めていた南米出身のフェリペは、「Lola Rosaスペシャリテ」のセクションになじみのあるメニューをみつけた。ケサディアのバスマティ玄米とミックスサラダのプレート(トルティーヤ、モッツァレラ、ヤムイモのピューレ、ハラペーニョとオニオン、アボカド付き)($13.50)。私は対照としてハンバーガーとチクピーのフライ、ミックスサラダのプレート($14)を頼んでみた。その一方で、南米系のご飯をベジタリアンにアレンジできるんですよ、というのをもう少し見せないといけない衝動にかられ、ピント、キドニー、レッド、ブラックのミックスビーンズのチリ($11)も頼んでみる。 大きなケサディアは普通のメキシカンのファストフードで出すものより遥かに美味しくて感心した。たっぷり乗ったソースと中から溶け出るチーズのバランスと絡み方がはんぱない。付け合わせの野菜や玄米ともぴったりくる。あまり期待していなかった様子のフェリペからうなり声があがった。 ハンバーガーはレンズ豆、豆腐、チアシードなどでできた厚いパテが、丸い高さのあるパンに挟まれている。密かなファンも多いチクピー豆のフレンチフライがついてくる。熱々に料理されたボリュームのあるパテは、外側さっくり中はふかふかのしっとりしたパンとよく合う。チクピー豆がバトン状になったフライは軽くあっさりしていていくらでも食べられそう。チリは完成度が高い。ベジタリアン食にしてはよくまとまった味。ハンバーガーやケサディアの大きなプレートと比べると小さめの盛りだけれど、トルティーヤがついていてきて最終的には満足できるメニューだ。 他には、オーブン料理がなかなか悪くない。トマトのタルトやサモサは面白い。グリーンカレー、クスクス、チュニジアスタイルのラグーなどのエスニックなベジタリアンプレートもある。デザートは15種類にもわたり、食後にデザートで何時間も話し込む人たちも見かける。店内は広く、大きなテーブルをつなげて3世代の家族が集まって食事する風景を見る週末も少なくない。とりとめなくおしゃべりしたり、長居できる雰囲気もいい。 ベジタリアンレストランの使い方がわかってきたフェリペは、帰り際「天気のいい日のテラス席で、スープだけ食べるなんてありだね。おやつのビスケットひと箱の代わりに」と言う。まさに、これからの季節そんな風に使えるベジタリアンレストランだ。 Lola Rosa(ベジタリアン) 4581 Avenue du Parc (514) 843-5652
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取材・文:稲吉京子 | |||||||||||||||
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