選べる前菜から選択したのは、アーティチョークとインゲン豆のサラダ。嬉しいボリューム。
数値が気になるタムが頼んだ前菜は、本日のスープ:人参のスープ
写真より実物はしっかり量のあるカボチャのラビオリ。頼んで正解!
タムのメインは、鶏胸肉と野菜のソテー。少し取り分けてもらったが、安心感のある料理。
近所のお客さんが集まってくるバー・カウンター。
もちろん、夏のテラス席もそろそろ出る頃。
 ジム友のタムが、正式に春になったことだし、お祝いしようと言う。それなら、と私はオールドポートの期間限定ランチを提案した。天気の良さにうかれて、薄手のコートで来てしまった。日本だったら真冬の気温だ。車を降りると、あまりの風の冷たさに小走りでお目当てのレストランに駆け込む。と、今日はもう閉店です、と言われる。凍えながらオールドポートをうろうろする気にもならない。車に戻る途中、こぢんまりした気取らない店「Salumi VIno」が目に留まった。入り口に出ているメニューを見てみると、magret de canardpork belly、黒ソーセージといったケベックのレストランでは必ず見かけるメニューが見当たらない。イタリアのオステリア、トラットリアといった感じだ。気に入った!

 Salumi VInoのお昼のメニューは、Table d’hôteだとわかりここに入ろうと決まった。前菜を入れるか入れないか、入れる場合はメインとの兼ね合い、食事する相手との兼ね合いなど、いろいろ考えることが出てくるアラカルトは、面倒くさいと感じることも少なくない。Table d’hôteteのメニューは、「今日のスープ」、「シェフのサラダ」、「アーティチョークとインゲン」「ホタテのカルパッチョ」から前菜として1品選び、メインを自分の好みでメニューから選ぶようになっている。$12から$24という価格帯で、アントレ、サラダ、パスタ、メインという括りごとになった選びやすいメニューだ。なんと、オーソブッコのプティンもある。

 私は「アーティチョークとインゲン」の選択し、「カボチャのラビオリ」($18)をメインに頼んだ。「アーティチョークとインゲン」の前菜は思ったより大きなお皿にもられて運ばれてきた。味もしっかりとしている。「カボチャのラビオリ」には大満足。薄いオレンジ色のクリーミーなカボチャのペーストがふっくらラビオリ生地を押し上げ、舌触り、味、量、さりげなくかかるソース、全てのバランスがよい。タムは、健康診断の結果が悪く医者に食事制限を言い渡されているため、子羊を頼みたいところを、鶏胸肉と野菜ソテー($20)のメインと、本日のスープ:人参のスープを選んだ。淡白な味を想像したが、鶏胸肉も柔らかく味わい深い。野菜のソテー具合も正統。いずれの食事も安定していると言える。

イタリアワインを中心にしたワインセラー。
ひとりでも入りやすく、店のスタッフもスマートで居心地がよい。
 夜のメニューをのぞいてみる。アントレは$6から$30まで豊富にある。ひとりで夕ご飯とワイン、友達との会合、仕事の延長などシーンに会わせてワインと組み合わせられるよう工夫されている。カチョカヴァッロのチーズのブルスケッタが6$からあり、マリアおばあちゃんのマリネ(Polpette di nonna Maria)$8、シブレとレモン風味のサーディンのグリエ($8)など、手軽に試せる価格帯のものも充実している。店の名前にもあるように、自家製のSalumi(サラミ)などの盛り合わせはおすすめだそうだ。$30パスタもイタリアチーズや、旬の物を使ったタリアテッレや野菜の詰まったラビオリなど、ごく普通のレストランで見られる顔ぶれでないところが魅力。$18から$28。肉、魚料理は、$23〜$49までと種類に富む。デザートには、チョコレートムース、シシリアのカノッリ、ティラミスなどが用意されている($6〜$8)。

 オーナーのマリオがバーカウンターにいて、ワインやそれに合わせるつまみの相談に乗ってくれる。あまり宣伝が好きじゃないという彼は、自らバーに立って、人が気軽に寄って食事やワインを楽しんでいってくれる雰囲気を作り出している。平日の昼間から、バーカウンターでワインを楽しむなじみのお客さんの様子も心地よい。ワインセラーものぞかせてもらったが、ほとんどがイタリアからのよりすぐりを集めているということだ。出す食事の安定感、サーバーの機知、気取りすぎないトーンダウンした落ち着いた雰囲気、独りでも楽しめる店作り、リスクや失敗を避けたい日には覚えておきたい店に仲間入りしそうだ。

Salumi Vino(イタリアンワインバー)
358 rue Notre-Dame Est
(514) 759-0505
Champ-de-Mars

取材・文:稲吉京子
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