モントリオールに住むチベット人は数少ない。最近いくつかチベット料理専門店が出来たがそれまでは約十年間一軒しか存在しなかった。その店はレストランの上の階にチベットの雑貨屋を商うなどチベットの文化活動にも積極的だ。今回はそんな店を紹介しよう。

 メトロのベリーウカムから歩いて5分ほどの場所にある。店の周りはバーやカフェなどが建ち並ぶ昼夜いつでも人通りの多い界隈だ。店内は朱色のタピで装飾してあり異国のムードが漂い思わず外の喧噪を忘れさせる。席に着くとジャスミンティーが出てきた。中華街のレストランのようだ。

ソースとモモの相性がばっちり
盛りだくさんのセットメニュー
穏やかなムードの店内
 高度の高い所に位置しているためチベットでは肉、乳製品をよく食べ、煮る、蒸すという調理法が焼く、揚げるといった料理法に比べ圧倒的に多い。かつて米は贅沢品で一般的になったのは中国と関わり初めてからだ。一般によく知られているのはモモという料理だろう。日本で言う餃子、蒸しパンだ。餃子の中には肉、蒸しパンにはチーズや野菜が入っていて、日本人の味覚に合う。

 前菜に頼んだチョール$2.75はブルーチーズのクリームスープ。クリームと言うよりはお粥っぽい味でブルーチーズの臭みが薄く癖がない。チーズの緑色の部分があちこちに浮かんでいて見た目がきれいだ。メインにコンポポーク$8.55という下味の付いたポークにホームメイドソースがかかったものを頼んだ。ご飯かティンモ(具のない蒸しパン)が付く。さっぱりしたソースのかかったポークはちょっと噛み応えがあるが味はいい。ティンモは辛口のトマトソースがついてくる。見た目はたいしたことないのだが蒸し器から出てきたばかりのほかほかで、ほんわり甘みのある生地はどんな味にもうまく混ざり合う。

 イェチミールというセットメニュー$12.85はスープが選べてメインにビーフモモ、チーズモモ、ラサチキン(チキンの煮込み)、チョコカサ(ポテトのスパイシーハーブ和え)それにご飯かティンモ、ヌードルが選べ、デザートとコーヒーか紅茶が付いていて色々試せてお得だ。ラサチキンはスパイスがいっぱい入っていて印度料理を思わせる味つけだ。油っぽくなくさっぱりしていて肉にはしっかり味が付いている。ビーフモモは厚みのある餃子の皮の中に牛肉が入っていて、中華街で食べるのとあまり変わりがない。テーブルに備え付けの醤油はこのためだろうか?チーズモモは二つに割るとチーズのレイヤーがおしゃれだ。味は具なしのよりも甘い気がするが、たいした違いはない。全体的にあっさり味だが、いろんなスパイスや肉汁の旨味などで食べ応えがある。ソース類とモモの相性は抜群でこれだけでも満足出来るほどだ。デザートにはフルーツのクリーム和え。シンプルな組み合わせだが意外に美味しい。ただチベットでこういうものを食べているかどうかは疑問だ。

 中華、印度料理の影響を受けたチベット料理は日本人にとって大きな驚きはないが、違和感なく受け入れられる味ではないかと思う。又この店は夏には静かで落ち着いたムードで食事が出来るテラスが有名だそうだ。

Chez Gatsé(チベット料理)
317 Ontario Est
(514) 985-2494
Berri-UQAM
ランチタイム:11:3014:30
月〜木・日:17:0022:00
金土:17:0022:30
取材・文:坂井 桂子
過去のレストラン
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