とろとろになったなすのスライスに、さらにクリーミーでどっしりしたソースが絡み、なんとも美味しい冬ごもり食。
ふんわりしたミートボールが3つ。トマトソースとほうれん草の蒸し物に浸かっている。
ミートソースがラビオリの中のリークやコリアンダーと絶妙なマッチング。
店内は思ったよりシックで大人びている。
エキゾチックだが落ち着いているのでバレンタイン向き。
落ち着いた内装の所々にアフガニスタンのテイストが見られる。
 この冬は、雪の様子にはっと魅せられることがある。よく雪が降る年なのは確かだし、冷える日も多い。こんな抗いようのない自然を相手にするとき、食べたい料理がある。アフガニスタン料理の店Fnêtre sur Kaboul

 プラトーの中でもあまり目立たないrachel通りにある。飾り気のない外見とは裏腹に、エキゾチックで落ち着きのある雰囲気の店内に驚く。客層も熟成した大人が多い。ワインの持ち込みができる貴重なお店で、隣のテーブルのフランス人夫婦は、フランスではこんなサービスはないからね、と控えめに喜びを見せた。モントリオールでも、prenez votre vinのお店自体は少なくなってきている気がする。

 乾燥している今夜は、お腹いっぱい食べたいというより、内側から満たされたいという感覚が先に立った。温まって潤うイメージでオーダーしたのは前菜2皿とメイン1皿。

・ナスのソテーにガーリックヨーグルトソース $9
・アフガニスタンスタイルのリーク、コリアンダーのラビオリにフレッシュトマトのミートソース添え $9
・アフガニスタンスタイルの肉団子とトマトソース、バスマティライス添え $23

 ナスをメインに使ったメニューはこれしかないので、特に目を引いた。ナスをソテーして美味しくないわけがない。トマトを使った赤いソースと、アフガニスタン特有のヨーグルトでできた白のソースに、くったりとしたナスが埋もれている。しんなりしたナスは2種類のソースと絡んで、さらにとろける味と舌触りで、まさに口から喉から胃から潤って満ち満ちる感じ。 もうちょっと食べたいというところで、次のラビオリが湯気を立てて運ばれてくる。想像より洗練された薄めの生地はつるっとして、中に包まれた香草類の香りが濃いめのクリーミーなソースと合う。

 そしてメイン。フォークで触れただけで割れそうなふわっとしたビーフのミートボール。ジューシーなトマトソースとほうれん草の蒸し物囲まれて、ライスとレタスが添えられている。ほうれん草とミートボール、トマトソースとミートボール、ライスとミートボール、どう合わせても楽しめる。 それぞれの料理が運ばれてくるタイミングも良く、手持ち無沙汰な感じになる時間がなかった。 各種肉のグリルも評判が良いらしく、ケバブ好きが定期的に食べにくるという。

 モントリオールの冬ならではの食事をした感じがした。乾いて、顔の皮膚が痛いほど寒くて、雪が降り続ける長い長い冬の間には、何回かとろみのある暖かいリッチなものを体に入れたくなる。こうして満足した後には、パーキングスポットの雪にはまった車のタイヤ周りの雪かき作業が待っていることなど、思いもせずに。

Fenêtre sur Kaboul(アフガニスタン料理)
901 Rue Rachel E.
Mont Royal

取材・文:稲吉京子
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