Plamondonの駅から徒歩数分。見た目はさえないが、お客さんは絶えない。
ヤギのカレーのセット($10.95)。メニューはこのようなライスや付け合わせがついたセットを薦めるが、単品をいくつか頼んだ方が充実しそう。
エビのカレーと並んで、アンディのお気に入りロティ。ロティにくるむ用のカレーは、通常のカレーより固めに作ってる。
サイドメニューから、ダブル(チクピーのハンバーガー)とアクラ(甘くない揚げパンにタマリンドソース付き)共に$1.95
ベーシックなカレーの味を知りたくて、持ち帰り用に注文した単品の野菜カレー$4.55
翌日のランチに、冷えたご飯と合わせて食べてみたが、十分美味しいし、コスパも抜群。小食なら2人分はあるかも。
お客さんは圧倒的にカリビアンが多く、持ち帰り客が多いのも特徴。オーナーの感じは悪い。
 ずっと以前、食べ物にはピッキーだと自称するアンディをインドカレーに誘うと、カレーは外では食べないと言う。お母さんが作るカレー以外は対価を払ってまで食べる気にならないとのこと。インド人ママが家で作るカレーには、そりゃ勝てないだろうなと納得する。その彼が、プラモンドンにあるカレー屋に行こうと誘ってきた。あれ、あんたカレーは外では食べないって、言ってなかった? うん、そうなんだけど、母親の作るカレーが食べられないときは、このレストランに行くんだ。少なくとも本格的なカリビアンカレーやロティが食べられるんだよ。

 ということで、カレーはカリブ海周辺でも地元食であることに驚き、アンディーはインド系ケベコワではなく、カリビアン系であったことにもびっくりした。どうりで陽気でダンス好き…。

 さて、このCaribbean Curry House、外観でまず少々戸惑う。中に入って、あらら、間違ったとこに入っちゃったかなと思う。例えば、こんな日。メトロまで歩けないほど大雪、かつ強風、路肩に置き去りにされた車が目に付く。除雪は追いつかず、バスは来るかどうかもわからない。あたりを見渡すと、このレストランのうら寂しい明かりだけが見える。こんな5年に一度の災難にでもあわない限り、この店の前は通り過ぎてしまう。

ところがである。
ひとくち目、あーこういうカレーありだよねー。
ふたくち目、なんだろ、味に広がりがあるわぁー。
みくち目、ややや、異常に食欲わいてきた!
と意外な方向から攻めてくるカリビアンカレーを出す。

 まず、注文はセルフサービスで、カウンター越しのミスター・ミヤギが聞いてくれる。店で唯一感じがいいのが彼だ。メニューもミスター・ミヤギも、ライスやサラダ、プランテインとのセットを薦めてくるけれど、ここでぐっと踏ん張ってほしい。私の個人的見解では、カレーの単品やロティの単品を頼むのが「道」のような気がする。セットには、大きなお皿の上に、意味なく油っぽい付け合わせや内容のないサラダがついてきて、店の外観や内装のイメージそのものだ。ここでの成功の鍵は、一番いいところだけ、本随だけを食べること。そういう意味で、単品メニューのセクションに注目してほしい。

 かってがわからず注文に困ったが、ミスター・ミヤギの薦めるヤギのカレーのセットを含め、以下のものを頼んだ。

●ヤギのカレーとライス、サラダ、プランテインのセット$10.95
●チキンのロティ(単品メニュー)$7.50
●ダブル:チクピー豆シチューのバーガー(snacks, side dishesメニュー)$1.95
●アクラ:甘くないドーナツパン+タマリンドソース(snacks, side dishesメニュー)$2.25
それと、家に持ち帰り用にも買ってみた。
●チクピー豆のカレー(単品)$3.40

 カリビアンカレーはコショウが効いた、なぜか知っているような懐かしい味だった。辛い、ホットなカレーではなく、鼻に抜ける感じのスパイシーさが特徴。赤や黄色のカレーではなく、淡い緑っぽいカレーだ。インドのカレーとは、ひと味もふた味も違うのだと知る。南アジア、東南アジアのロティ(Roti)といえば、クレープ状に焼いた無発酵の小麦粉でできたパンのことだが、ここのロティはチクピー豆の粉でできていいるから嬉しくなる。しっとりして重さがある。その中心にカレーがくるまれていて、ナイフで中心から切り分けると、具が多めのどろっとしたカレーが出てくるので、どっしりしたロティを切り分け、カレーと合わせながら食べる。スリランカやインドで食べたロティとはやはり味や食感が違う。カレーにしてもロティにしても、単品のものは見た目は寂しいけれど、最後まで食べる頃にはちょうどいい満足感がある。

 全く期待せず、賑やかしに頼んでみたダブル(Double)というチクピー・バーガーはなかなか面白かった。チクピーブレッド2枚で、チクピー豆いっぱいのシチューを挟み込んでいる。小さいながら、ボリュームがあり美味しい。$2でおつりがくるという、時代からとり残された優秀なスナック。東京の代々木辺りで、間口がめちゃくちゃ狭い、スタンドのような店でできたてを手渡し形式で売ったら、行列ができるんじゃないか、などと想像を巡らす。もうひとつ、アクラ(accra)という名前から、興味本位で頼んだ小さなボール状の素揚げパンも、思ったほど悪くなかった。ディップするタマリンドソースが甘辛く、男の人のおやつにいいのかな、という印象。日本で行列はちょっと無理かも。友達や家族連れなら、こういったちょこちょことしたつまみが、皿と皿の間を埋めるのも楽しい。

 持ち帰り用にしたチクピー豆のカレーは、まずくなっていた冷ご飯と一緒に翌日のランチで食べてみたが、単純明快な美味しさ。なかなか家では出せないエキゾチックな味が、この値段で手軽に手に入れられるのはかなり魅力ではないか、と少々唸ってしまった。 Portions(カレー11種)は$3.15〜5.95、Roti(ロティ9種)は$4.50〜8.75というかなり軽快な価格なので、何種類か頼んで数人でシェアがよさそう。入り口すぐの壁に張り出されたメニューでは、カレー単品を指すPortionsや、ロティの単品は下の方に小さく書いてあるので、見逃さないように。

 店はカリビアン諸国出身らしいお客さんか、そうでなければ、会社帰りに夕ご飯を買って帰る常連さんが目に付く。店を始めて35年というから、故郷が懐かしいカリビアン達に長く愛されていることは間違いないようだ。次回は、いくつかロティとカレーを持ち帰りにして、ホームパーティーで使ってみるつもりだ。

Caribbean Curry House (La Maison du Cari des Caraîbes)(カレー専門店)
6892 Victoria Ave.
(514) 733-0828
Plamondon

取材・文:稲吉京子
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