シンプルな食べ物には、シンプルな店構え。店内は綺麗で入りやすい。
極暖ブーツの中でもつま先がカチカチに冷たくなっている。そんな時には、このかぼちゃとイエロー・ピーのスープをまず一口飲みたい。
サラダ嫌いでも食べられるキュウリのサラダ。jerkシリーズにはちょこっとプランテインとミニサラダがついてくる。
プランテイン$4。何か特別な味がするわけではないけれど、素朴さがいい。grab and goのおやつとしては使える。スパイシーな3種のカリビアンソースも忘れずに!
店の人気メニューのjerkシリーズ。友人おすすめのjerk oxtail$15が売り切れだったので、jerk chicken $13に。チキンの見た目はワイルドだけれど、味は全人種共通の味覚にヒットする。
持ち帰りでも食べていくにしても、こういう感じで提供される。テーブルの柄が容器のもの寂しさを和らげてくれる!?
 Ubisoftで働く友人から、Mile endのランチシーンに変化が出てきたと聞いてはいた。casgrain通りに事務所を持つ別の友人からも、似たようなコメントを聞いたことがある。その二人のうち、食べ物にはかなりオープンな彼女が最近気に入っているというのが、カリビアンファストフードのLloydie’sMile endは最寄りのメトロ駅がないので、冬は少し不便さ感じる地域。けれどLloydie’sは、ダウンタウンから出る55番と80番のバス両方が使える、Mile endの中でもゴールデン街と私が呼んでいるアクセスのいいエリアに入る。

 Lloydie’sのウェブサイトを見ると、手作り感や素人っぽさを押し出した路線が、なんともMile endらしい。しかも、今では何店舗も支店を持つPanthère verte(ファラフェルサンドイッチが有名)が、素人っぽく細々やっていた当時と同じ場所に去年オープンした。全てが懐かしい雰囲気。ゴールデン街だから、バスを降りてすぐだと思うと、雪が止んだ合間に出かけて見る気になった。因みに、私はメトロLaurierから46番を使うのがお気に入り。ほとんど歩かないで店に着く。ただ、46番はあまり本数がない地味路線なので要注意。

 外から見ても無駄のない店内、メニューもウェブサイトで見た通りの数種類以外は何もない。あまりのシンプルさと、オーダーをとるレジの男性の感じの悪さに一瞬戸惑うものの、この地域のニーズにあった食べ物、サービスなんだと理解すると納得がいった。必要以上に感じのいい愛に満ちた店もあれば、威圧感のあるサービスの店、ジャッジの強い店、なんでもありのMile endだったと思い出す。友人オススメのjerk oxtail$15を頼むつもりが、今日はすでに売り切れ。以下のメニューに決定。

jerk chicken $13
今日のスープ:かぼちゃとイエロー・ピーのスープ $4
プランテイン $4
店オリジナルのソーダ:ジンジャービール $3.5

ランチ時間が過ぎると、店の中はリラックスしてゆっくり食べられる。奥のカウンター席はお客なのか店のスタッフなのか見分けがつかない仲間感が充満している。
大きな窓、座り心地の良い椅子、午後の空いた時間帯ならゆっくりしたくなる。
メニューは壁に出ている6種類のみ。その中でいくつか種類があり、値段も変わる。
Lloydie’s特製のカリビアンソース3種。いずれも特徴が違って面白い。共通なのは発汗作用あり。
 頼んだ料理は、すべてお持ち帰り用の紙パック、プラスティック容器に入って出てきた。店で食べる客も持ち帰り客も、皆この体裁で受け取るという。ゴミを減らそうと毎日努力している人たちにとっては心穏やかでいられないコンセプトだけれど、さっと注文してさっと持ち帰って、都合のいい場所で都合のいいタイミングで食べたい人たちのニーズに答えるとこうなるのかもしれない。私はもちろん、窓際のコの字型の柔らかい椅子に座って食べていきたい。念のため、ここで食べていってもいいよね?と確かめた。食べ物のパック一式を運んできてくれた男性はとても感じがよく、「もちろん!」+ウィンクが返ってきた。お持ち帰り用の紙パックから食べるのは、味気ない感じもするが、店のメニューになっているpattyというエンパナーダのような食べ物の柄が一面にプリントしてある黄色のテーブルが、気分を盛り上げてくれる。

 jerkシリーズについてくるキュウリのサラダを一口食べると、食欲が湧いてきた。このキュウリのサラダは、野菜やサラダに興味のない人もパクパク食べられるさっぱり味が付いている。カボチャとイエロー・ピーがすっかり溶けてどろっと重みがでたスープには、hearty soupという単語がぴったりくる。雪の季節はこういうものを食事の初めに食べたい。

 プランテイン、これこそオフィスでのおやつに、家へのお土産に持ち帰りたくなる。味も見た目も素朴で、なぜか懐かしさがある。私はLloydie’s特製の3種類のソースが気に入った。自分で蓋つきの容器に取り分けて持ち帰れるので、いろんな食べ方ができそうだ。赤、緑、黄色の3種のソースはいずれもホット。私は、jerkシリーズについてくる豆ご飯にちょっとづつつけたり、プランテインにつけたりして味の変化を楽しんだ。

 ジンジャービールは、ジンジャーのエッセンスが強く出ていて香りはいいし狙いはいいけれど、砂糖が多すぎるのが残念。

 メインのjerk chickenは、味は見た目ほど粗野ではなく、カリビアンスパイスがよく染み込んでいて、人種を超えた共通の味覚のツボを抑えている気がする。確かに、仕事しながら食べたり、友人宅に持ち寄ったり、車で移動しながら食べたり、いろんな用途に使えそうだ。実際、私はjerkシリーズを2セット(veggiepork)と、集まり向きなおつまみのプランテインを持ち帰ることにした。その後、友人二人と旅行の計画を詰めることになっていたので、万人受けする味で、持ち帰りしやすいこの体裁がビッタリだった。すぐに食べなくても美味しいままだと言うし、水滴が出て袋の中がべちゃべちゃになることもなさそうな紙のパックは、40分の移動に耐え切ってくれそうだった。

 そのjerk porkjerk veggie、友人宅では好評。プランテインも3種のカリビアンソースと一緒にあっという間になくなった。発汗が進み、話も進み、ハイになり、旅行のプランニングもグイグイ進んだのは言うまでもない。

Lloydie’s(カリビアン料理)
66 rue Saint Viateur ouest
Laurier

取材・文:稲吉京子
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