生春巻き メニューにあれば必ず頼む生春巻き。見た目、味ともに合格。
ランチメニューから選ぶとこの酸辣湯か野菜スープが選べる。そんなに辛くなく、美味しくできているのでオススメ。
野菜のグリーンカレー。出てきた瞬間、色がきれいで気分も高揚する。クセになるまろやかな美味しさ。
ビーフソテーのピーナッツソース パッタイやタイカレーに飽きている人はこれに決まり。誰もが満足する味。
これがリピートしないだろう一皿。美味しくはいただいたが、これである必要を感じないので、ヌードルな気分ならパッタイで。
そのパッタイ(Pad Thai)。エビの他、肉各種が選べる。ここで紹介したものは、$12〜$16という価格帯。
ランチセットの野菜スープ。酸辣湯ほど存在感はないが、スープ自体は美味しい。気分によって、これがいい日もあるんだろうな。
 雪や寒さが億劫で、出かける回数が減る。駅を出て店まで歩く道のりを想像し、やっぱりやめようとなる日が増える1月。今回は、こんな時期でも行く気になる好立地のレストランを紹介したい。日本だったら、「隠れ家的」とか「大人の」とかいう冠が踊りそうなところだ。ダウンタウンの駅からすぐなのに、この落ち着き。この値段だったらこんな感じだろうなという予想を超えたクオリティ。つまり、コスパが良い。ガキたちはいない。黒い水でヤッキーになった床を歩くこともない。直接の理由にはならないけれど、行く気が萎える心理的要因も、クリアしている。

 もちろん、各自でググって好きなように行けばいいのだが、今回は寒さにくじけないレストラン選びというテーマも込めているので、最短、最暖ルートを説明したい。まず、ピール駅のLes Cours Mont-Royal側の改札を出る。ここで急いて地上に出ないこと。表示に従ってLes Cours Mont-Royalの中に入る。店が立ち並ぶ間を抜けるように道なりに歩いて、正面にスタバとエスカレーターが見えたら、それで地上階に登る。エスカレータを降りたら左手へ進み、Les Cours Mont-Royalの建物からMetcalfe通りに出る。そして、右手(南方向)に下りSt-Cathrine通りを渡って、30秒ほど歩くと左手に古い大きなSun Lifeビルが見えるので、その中に入りほっと一息。あとは、レストランの位置を守衛さんに聞くか、左手に進み突き当たりにひっそりとレストランAccès d’Asieを発見する運び。

 レストランの入り口には、ランチ向けに巻き寿司の写真が結構大きく出ているが、ここで不安にならずに奥まで入って好きな席に落ち着いてほしい。世界的なsushi流行りのためか、最近は巻き寿司ランチを押し出しているが、ここでは是非本メニューにあるものを食べてみてほしい。ランチメニューは人気どころをいくつかピックアップしつつ変化させているようだが、本メニューと比べてすごくお得かというとそうでもないので、メニュー全体を見てから決めるといいと思う。ただ、ランチメニューにはスープがつく。野菜スープと酸辣湯から選べる。この季節、ここのボリュームのある酸辣湯(スーラータン)で食事を始めるのは、悪くない。

ちょっと狭めの店内。12時〜13時を外せば、そんなに混んでいないので、ゆったり食べられる。
サン・ライフビルディングの一角にある。人通りは意外に少なく静か。お茶好きなら、店の裏にあるお茶っ葉屋に寄ってみて。
 このレストランは、メニューの名前や説明をするより、写真を見てもらうと雰囲気をつかみやすいのではないかと思う。まずは、酸辣湯で空腹感を落ち着け、前菜に生春巻きを頼む。ひと手間かけた盛り付けで、会食らしい気分になる。おめあてのものが特別ないときは、野菜のグリーンカレーがおすすめ。優しく品がいい。ココナッツミルクベースで、青いパパイヤや野菜がたっぷり入ったかなりまろやかで、かつエキゾチックな風味。見た目も良い。野菜の他、ビーフ、ポーク、チキン、エビが選べ、レッドカレーへの期待も高まる。そもそもストリートフードのPad Thaiなんて、レストランで頼みたくないという人には、肉類のソテーのカシューソースを試してほしい。肉の種類は選択でき、ケールのパリパリ焼きがついてくる。このシチューのような白っぽいのがご飯と合いすぎて怖い。リッチで満足感いっぱいの一皿。甘しょっぱいソースに浸ったライスヌードルに、エビとブロッコリーが乗って出てくるものも頼んだが、これはリピートすることはないだろう一品。もちろん不味くはないが、前菜的な印象で「食べに来た」感にかける。ヌードルを食べたいのなら、Pad Thaiに流れた方がいいかもしれない。

 ボトムラインはこうだ。モントリオールのごく一般的なアジアンレストランというのは、おいしいけれど「遠い」。おいしいけれど「騒がしい」「見た目が汚い」。おいしいけれど「初デートには無理。ダサすぎる」。おいしいけれど「いろんなとこがヌルヌルしている」。と、何かしらマイナー要因とセットになっているもの。一方、ここはそういうレストランと比べると、食べ物に洗練さがあり、コスパが良く、落ち着いていて清潔、しかも駅近で便利ときている。マイナー要因をあえてあげるなら、店が少し狭いということぐらいか。テイクアウトにすると、Subwayのサンドイッチより安かったりするプラスアルファもある。オフィス街での営業なので、土日はお休み。日中のランチ時間帯を外せば、落ち着いてゆったり食事ができる。冬の独りご飯、会食に重宝すること間違いなし。

Accès d’Asie(タイ料理)
1155 Rue Metcalfe #35
(514) 878-2742
Peel

取材・文:稲吉京子
過去のレストラン
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