寒い日はついつい家に籠もりがちになって、はっと気づいたら冬眠中の熊のような私。反省しつつ友達に連絡して外出計画を試みる。どうせ出かけるなら暖かいところでおいしいものでも食べたい。そんな時によく行くのが飲茶。あわただしい雑踏の中で友達とわいわい食事をしてると、外の寒さも思わず忘れてしまう。

 チャイナタウンには飲茶を扱うレストランが沢山ある。どの店も飲茶を出すのは昼だけで夜になったら普通メニューに変わるのかと思っていたが、大型のレストランでは朝から晩までメニューは同じらしい。しかし昼はカートで食べ物を運んできてくれる代わりに、夜は普通のレストランと同じように注文するしくみになっている。

混雑する店内
食べ物をのせたカート
もちもちふわふわの肉まん
 Ruby Rougeは洋服屋や薬屋等が入ってる建物の2階にある。かつては通路であっただろうスペースを含める全ての空間を、有効に使って商いをしている。どこもかしこもテーブルがひしめいているその脇を、大量の食べ物をのせたカートがよろよろと通りすぎていく。

 一番混む11:00〜14:30は店の前に長蛇の列が続く。まず受付に行き名前と同伴数を告げると、番号が書かれたカードを渡される。番号順に呼ばれるのではなく、空いた席の数に合うグループから通される。さっさと食べて席を立つ人がほとんどなので混んでいても待ち時間は20分〜30分程度だ。

 席に着くとすぐに皿、箸、ジャスミン茶が出される。後はカートが近づくと呼び止めて、あれやこれやと頼む。そのたびに店員がテーブルの料金表に付け、最後にテーブルで会計する。お茶はなくなったら蓋を開けてテーブルの脇に置いておくと気がついた店員が新しいのと取り替えてくれる。

 カートで運ばれてくるものは、主に蒸し物、揚げ物だ。シュウマイ系では具にエビ、豚、鴨、牛等を湯葉でくるんだもの、肉厚な餅米のような皮で包んだもの等種類が豊富だ。日本の餃子がメニューにないのがちょっと残念。ベジタリアン用もあるが数は少ない。他にはワンタン、お粥、肉や野菜の煮込み、エビやイカの足の唐揚げ、蒸しパン、麺類等。デザートにはクッキー、杏仁豆腐、饅頭等がある。金額は一皿$2.50〜$4.00弱で、4〜5人で思いっきり食べて1人約$15.00。

 目で見て選べるので失敗することが少ないが、たまに店員の中に中国語しかしゃべれない人がいて、そんな人にこれは何が入っているか等質問しても何でも“はいはい”と答えるのでエビシュウマイを頼んだつもりが実は豚シュウマイだったということもよくある。

 回転寿司のように座っていて食べ物が自分に近寄ってくれるシステムは効率的だが、その反面Ruby Rougeのように広範囲に広がった店内ではカートが通る道は決まっているらしく、テーブルの位置によってはカートが全然近寄ってくれないということもあり得る。そんなときは食べ物を運んでくる親鳥を待つ雛のような気分になる。又はカートが台所に入る寸前の近くのテーブルはカートに料理がほとんど無かったり、わずかに残った料理は冷めていたりする。混んでいる時はテーブルが選べないので運を天に任せるしかない。それも飲茶の醍醐味なのかもしれない。

Ruby Rouge(飲茶・中国料理)
1008 Clark
(514) 390-8828

Place-d'Armes
年中無休:8:0021:00(ラストオーダー)
取材・文:坂井 桂子
過去のレストラン
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