これまで様々なモントリオール出身のデザイナーについて書いてきたが、今回はモントリオールに拠点を置き、北米・オランダ・ベルギー・フランス・イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、ドイツ、シンガポール、香港、そして昨年の11月からは日本にも商品展開しているランジェリーブランド、ARIANNE(アリアンヌ)を紹介したい。

 ARIANNEは、1947年に下着製造メーカーとしてモントリオールで設立された歴史あるブランドである。起業から半世紀が経った現在、下着メーカーから世界的に認められるファッションランジェリーブランドへと発展を遂げた。ARIANNEの下着は、欧米ではブルーミングデールズ、パリジャン、ノードストロムなどの大手デパートやセレクトショップで取り扱われている。また、昨年より日本でも大丸百貨店やランジェリーショップなどで幅広く取り扱われるようになった。

 ARIANNEモントリオール本社社長、Mathieu Rossyさんとアリアンヌ日本支社代表、高木かおるさんから日本でのARIANNEの反響について話を聞いた。

--- Mathieu Rossyさんからの日本進出についての感想

 「現在のところ、アリアンヌの日本進出の印象はポジティブです。日本市場はとてもプロフェッショナルですし、ダイナミックだと思います。アリアンヌのアジア進出に関して、期待することは真の意味でアリアンヌを国際レベルのランジェリーにすることです。アリアンヌの商品の強みは独自のスタイルと素材の本質でしょう。また、ランジェリーだけとしてではなく、普段着としても使えるというのも、アリアンヌのお客様を喜ばせている要点のように思います。」

--- 高木かおるさんより。昨年11月から日本市場に進出したということですが、日本での評判、また需要はどうでしょうか?

 「日本では私の想像以上に成長しております。一年で30軒以上のお店と取引をさせてもらっております。そしてメーカーであれば誰もが欲しがるところばかりです。Opaque銀座、Opaque丸の内、エクレクティカ、フラクサス(すべてワールド直属のセレクトショップです)。他のランジェリーショップもセンスあふれるお店ばかりです。百貨店は東京大丸、梅田大丸で展開をしております。今までなかった商品で今が旬のキャミが弊社の主流商品であることから、入店して一年未満でコーナーを頂き、お店からもかわいがってもらっております。たった一坪ほどで100万円以上(小売り)の結果を一ヶ月で出したことで、今のポジションを百貨店でいただけたのだと考えます。これからますます伸びる予感がいたします。」

--- 既存の日本の下着とARIANNEランジェリーとの大きな違いは何でしょうか?

 「既存の日本の下着、つまり大きなメーカーがつくりあげたマニュアルのような市場にみんなが飽きてきております。しかし、その代わりになるものが日本市場に存在しませんでした。そんなニーチェ市場にタイミングよく参入したのが弊社と考えております。2004年はブラの売り上げが伸びなかったといいます。お仕着せな商品(快適性にかける、おしゃれではない、痛い・・・など)や矯正下着はもう今の時代に必要とされておりません。ミックスアップを好むトレンドに敏感な人達が、アクセサリーの一部として購入する。必要ではないが、おなかを膨らますのにもう少し満腹感を得たい!そんなランジェリーがアリアンヌです。なくてもいいけれど、一度味わったら癖になるあじわい、つまり食事ではスィートです。それがアリアンヌです。実際、素材の柔らかさ、レースの美しさ、色、デザインのすべてにおいて日本製と格段の違いがあります。特にデザインについてですが、コルセット型で骨なしは典型です。決して嫌らしくなく、健康的で体がきれいに細く見える上、セクシーで女性らしくも見えます。また、製造はすべてメゾンとでもいいましょうか?カナダ、モントリオールの本社で行っております。」

 ARIANNEのランジェリーは、各シーズンごとに女性の体型、好み、特質を考え作り出される。「ライフスタイル ランジェリー」という言葉を生み出したことからも分かるように、ARIANNEの下着の特徴は、女性の生活に密接した、様々なスタイルを提供している。多様性に富んだことがトレードマークであるARIANNEのランジェリーは、カジュアルに着用できるものから、イブニングウェアーとして身につけられるものまである。各用途に応じたラインがあるため、普段着用として気軽に着用できるコットンの下着、さわやかなラウンジウェアー、洗練されたジャガード、そしてレースたっぷりのランジェリーなどがある。

 また、色々な文化が混在するモントリオールが本社であることから、ARIANNEのデザイナーたちは、海外からの影響のみならず、モントリオールの町からも様々なアイデアを得ているようだ。ファッション性、機能性、そして遊び心の要素が含まれたARIANNEのランジェリーが世界中の人から好まれる理由が分かったような気がした。

ARIANNEのホームページ:www.ariannelingerie.com

取材・文:和田 良子
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