Denis Gagnon 2005
Denis Gagnon 2005
Denis Gagnon 2005
Denis Gagnon 2005
 今回で6回目を迎えるモントリオール・ファッション・ウィークが9月27日から10月1日にかけて催された。数多くのデザイナーが参加していたが、私がショーを見たのはこのコラムでもおなじみのDenis Gagnon。彼の2005年春夏のコレクションの様子をお届けしたい。

 モントリオールに20年以上住んでいるDenis Gagnonは生粋のケベコワ(Quebecois=ケベック人)。独自のラインで洋服を作り始めて今年で4年になる。

 今回のコレクションは詩的な趣のあふれる仕上がりだった。空気のように軽く、肌触りの柔らかい生地を用いた、シャーベット色のパレットのようなコレクションは、これまでより一層洗練されたショーのように思えた。

 また、革素材をアクアカラーが散りばめられた洋服のアクセントとして使いながらフェミニンさも欠くことなく、うまく演出しているのはDenis Gagnonの独創的かつ繊細な人柄が表れているように思えて仕様がない。

 柔らかな素材でシンプルなカットの洋服も、裾の部分の大胆なフリルや胸の開き方などでフェミニン度たっぷりのかわいらしい女の子を思わせる仕上がりとなっている。さらに、真っ赤な口紅と真っ赤な靴、紫の靴下と見立てたボディーペイントなど、洋服だけでなくアクセサリーも十分に私たちの目を楽しませてくれた。

 ショーの終わりは、真っ赤な靴に紫の靴下、淡い黄色のネクタイに身を包んだDenisがぴょんぴょんと嬉しそうに飛んで出て、会場に集まった人々の拍手喝采で幕が閉じた。ファッション規模が小さいこともあってか、多くのファッションデザイナーがモントリオールを去ったり独自のブランドの継続を断念している中で、自分の思うファッションに突き進むDenisに私は大きなエールを送った。

取材・文:和田 良子
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