Morales
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Moralesブティック
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Moralesブティック
 2月半ばのモントリオールと言えば一年のうちで最も寒い時期、そんな2月17日にMorales2004-2005年秋冬コレクションがSAT (Société des arts technologiques, 1195 St. Laurent)で行われた。今回はその模様をレポートしたい。

 Moralesのデザイナー、レナタ・モラレスさんはメキシコ生まれ。アメリカ、パリで生活をした後、モントリオールに移り住む。ファッション界に入る前はアートの学校で絵を勉強していたこともあり、今でもアートに触れる機会は多い様子。パリで抽象画を楽しめば絵の色・大きさの使い方から新しい洋服の素材や細部のアイデアを思いつくこともあるそうだ。そんなアートの世界と密接した生活を送っているものの、彼女のつくる洋服はファッション(見た目)嗜好ではなく、着やすく時代の流れにそったものである。ありきたりの「ベーシック」を避け、細部の忘れられがちな部分への凝りようや手のかけ方がMorales独特のスタイルのようだ。

 ほとんどの洋服が手作業のため、一点一点、微妙に異なった仕上がりになっている。洋服ひとつひとつが一枚のアート作品として扱われているところに、ファッションつまりアートという彼女の洋服に対する姿勢が見える。ファッションとアートが彼女の情熱だということも頷ける。

 今回の2004-2005年秋冬コレクションは80年代のロックンロールを意識したような装いが目立った。前回の2004年春夏コレクションでの60年代のようなタイトな髪型にうってかわって、今回は黒髪ストレートに厚めの前髪がほとんどだった。また、前回は白を基調としながら刺繍や模様などの細部に明るい色を使った、春・夏らしいものだったが、今回のコレクションの前半は水玉、チェックなど、様々な色模様の生地にスパンコールなどの異なる素材を組み合わせた80年代のロックスターのようなかわいらしいものが多かった。後半はややクラシックな装いに、白と黒を基調としながら細かい刺繍や絞り、カットなどを部分的に使った、前半とは異なるMoralesの一面、セクシーさを表現していた。どの洋服も必ずどこかに「ベーシック」を打ち破る細工があり、洋服に袖を通せなくても、見ているだけでとても楽しめるショーだった。

 今回のファッションショーの会場は映像のイベントを多く催すSATということもあって、ショーの演出も興味深いものだった。モデルがランウェイに向かう出入り口の前に大きなスクリーンがあり、モデルがランウェイに現れる前とそこから姿を消す際、スクリーン上にモデルのシルエットが映し出される。モデルの黒いシルエットのポーズから始まり、始まりとは異なるシルエットのポーズで姿を消すという面白いショーの見せ方だった。スクリーンには常に映像が流されており、その映像とモデルのシルエットがぴったりと合った瞬間は、そのスクリーンのビジュアルが一枚の絵のようで、ファッションショーとは別のアートを見ているように思えた。Moralesの実体的なファッション・アート(洋服)を堪能した後は、スクリーン上の抽象的なシルエットのビジュアル・アート(映像)を楽しむ、これこそまさにレタナ・モラレスの目指すファッションとアートの融合なのでは、と思った。

 Moralesのラインができてから6年が経つ今、モントリオールの旧市街地(209, rue Saint-Paul Ouest)とオタワにブティックがある。Moralesのデザインは彼女がしているものの、実際の洋服製作は、オートクチュールで洋服をつくっていたというパートナー、シルビー・ウイメットさんと一緒にしている。現在モントリオールのブティックには春・夏の洋服が並んでいるものの、マネキンは早くも秋・冬コレクションをまとっていた。

ファッションイベントインフォ

AIR_D 2004年秋冬プレゼンテーション
日 時:3月18日(木)午後7時半より
会 場:SAT (1195 Boul. Saint- Laurent)
入場料:5ドル

取材・文:和田 良子
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