第5回モントリオール・ファッション・ウィーク(MFW)の2004年春夏コレクションがこの9月6日から10日までモントリオールの旧市街地で催された。モントリオールのファッションについて書くには最適の機会ということもあり、今回はモントリオールのローカルデザイナーたちのファッションショーに侵入したMFWのレポートを書きたいと思う。

 MFW1998年に非営利団体のファッションネットワークとしてモントリオールの様々なファッション産業を結びつける組織として始まった。モントリオール・ファッション・ネットワークはケベックファッション産業を促進させ、モントリオールをカナダ・北米のファッションの中心と位置づけることを目指している。今回のMFWVille de Montrealをはじめとする政府機関、公式スポンサーであるメルセデス・ベンツ、そしてBirks, Aldo, Alberto Europeanなどによってサポートされている。また、MFWはシドニー、ロサンゼルス、ニューヨークで行われているファッション・ウィークの一貫でもある。

今回のMFWに参加したデザイナーは以下の通り:
Antonio Ortega, Chichi, Denis Gagnon, Eve Gravel, Envers par Yves Jean Lacasse, Falbala, Karo Pepin, Isabelle Elie, Jessie May, Lili-les-Bains, Luk by Luc LaRoche, Mackage, Marie Saint Pierre, Morales, Muse, POW par Andy The-Anh, Rudsak, Tavan & Mitto

この中からいくつかのショーの様子を書いてみたいと思う。



Denis Gagnon
Envers
Rudsak
 まず、はじめは前にも紹介したDenis Gagnon。今回の彼のコレクションは白とベージュの色彩を主にした、やわらかい仕上がりだった。ショーで使われたモデルも一般人により近い自然体のタイプが多かった。これも洋服は機能的で、おしゃれで、なおかつ自然に身にまとえるという彼の洋服に対するスタンスのように思えた。多くのファッションショーで見られる、普段に着る服からかけ離れたようなものは少なく、店に並ぶ洋服にちょっぴり彼の独創的なアイデアがちりばめられたショーだった。

 EnversのファッションショーはChateau St-Anbroiseの野外で行われた。日も沈みかかっていたこともあって、ランウェイにはたいまつが燈され幻想的な雰囲気が漂っていた。ショーの幕開けはクラシック音楽の生演奏。今回のコレクションはインドを意識したかのようなエスニックテイストいっぱいの色彩・デザイン・モデルで構成されていた。音楽も民族的なもので、なぜか不思議な世界に連れて行かれたようなショーだった。

Morales
Tavan & Mitto
Muse
 ご存知の方も多い革製品のブランド、Rudsakのショーは白が基調となったカジュアルなRudsakらしいショーであった。皮をふんだんに使った白・茶・黒がメインのジャケットに白のパンツやスカートというスタイルが目立った。皮という素材をジャケット、スカート、パンツ、バッグなどに様々な形で使いながら、トレンドの白をうまく用いたRudsakテイスト溢れる仕上がりだった。

 モントリオール旧市街地にブティックのあるMoralesのショーは、白を基盤にしながら刺繍や模様などちょっとしたところに様々な色を使った、春・夏らしいさわやかなコレクションだった。基本的には白を基調としていながらも、色彩豊かな細工がよりいっそう白というイメージを強めているように思えた。髪型は60年代のようにタイト、それでいて足元はバレーシューズのような身軽な装い。まるで春を待ち望んでいるかのような軽やかなショーだった。

 Tavan & Mittoもやはり白が中心であった。このコレクションではボディスーツのような上下のつながったものが目にとまった。また、カラフルな色のラインを上下に用いて縦長のイメージを強調しているのも印象的だった。靴、パンツ、ドレスは白が基調であることが多い一方で、メイクやアクセサリーに明るい色を使い、白というイメージをより一層引き立てていた。前から見ると真っ白なドレスなのに後ろを振り返るとカラフルな模様がほどこされて・・・などランウェイの前半と後半では異なる顔を見せ、人々を楽しませてくれた。

 Museのコレクションは60年代のオードリー・ヘップバーンを思わせるショーだった。オレンジがかった赤い口紅とチークのメイクアップ、アップにした髪形、足首のストラップシューズなどの清楚かつ華やかな春の装い。色彩も白に限らず、オレンジ、黒、ベージュなどもありながらそれぞれの色を春・夏らしくうまく演出していた。

 総合的に白の出番が多かった今回の春・夏コレクションはショーを見ている人の心を明るくさせてくれたように思う。特に白という、色の原点に様々なカラフルな色をちょっぴりアクセサリーやメイクで加えることによって、より一層白という色を際立てていたようだ。全体的に柔らかく、春の花畑を思わせるような今回のモントリオール・ファッション・ウィークのコレクションは、これからモントリオールの冬を迎える多くの人々にささやかな楽しみを与えてくれたように思う。

取材・文:和田 良子
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