今回は「mode」第三回目。モントリオールのストリートファッションもさることながら、今回はローカルデザイナーである、Denis Gagnonについて書きたいと思う。

 彼の洋服はSt. Laurentにあるブティック、U&Iに行けば目にすることができるのだが、幸いにもDenisに直接インタビューすることができた。彼に会う前にこれまでの彼のコレクションをビデオで見たのだが、スクリーンに映る彼は真剣そのもの。もちろん、それは彼のファッションに対する熱意が表れているわけだが、実際に彼に会って話した印象は言葉をひとつひとつ丁寧に扱い、私の問いかける質問にまるで洋服を創るかのように彼自身の気持ちを素直に表現してくれた。

 Denis Gagnonはモントリオールでも、まだアンダーグランド的なデザイナーではあるものの、知る人ぞ知る存在。彼のデザインする洋服を見れば彼の溢れるばかりの才能を見つけることはもちろんなのだが、私は彼自身の人柄に、彼のデザインする洋服に魅了されるのと同じくらい惹かれた。

 Denis Gagnonはケベック州のAlmaという町に1962年に生まれた、生粋のケベック出身のカナダ人。20歳の時にモントリオールに来てLaSalleカレッジでファッションを勉強。その後モロッコのLaSalleカレッジで教え、モントリオールの演劇や映画の世界で衣装デザイナーとして10年以上活躍したのち、彼自身のコレクション、Denis Gagnonのブランドを2000年に立ち上げる。その当時、彼は自身のアパートの地下をアトリエとして数々の洋服を作っていた。2000年にはじめてのコレクションをうちだし、それ以後シーズンごとに新たな洋服を創り出している。ブランドを立ち上げてから3年が経った今、彼はモントリオールの小さなアトリエでクラシックの音楽を聴きながら日々彼の頭に浮かぶさまざまなアイデアをそのまま洋服に表現している。


 現在、彼の洋服はモントリオール、オタワ、トロントのみでしか目にすることはできないのだが、彼の夢は世界のあらゆるところで彼のデザインする洋服を人々が着てくれることだそうだ。今は9月に行われる2004年春夏コレクションのファッションショーにかかりっきりのようで、その日も針を片手に彼の夢や洋服に対する思いを淡々と語ってくれた。彼のデザインする洋服はコットン、皮、スエード、ジャージー、シフォンなど、あらゆる素材をふんだんに使い、シンプルなデザインであるものの、彼のちょっとした遊び心が彼の手によってオリジナリティー溢れる洋服に仕立てられている。今秋シーズンの彼のコレクションは主にカーキー、ピンク、黒の色調でモントリオールの人々に素敵な秋を迎えさせてくれるようだ。


 日本のファッションについて彼に聞いてみたところ、あまり日本のことは知らないが、歴史や文化の豊かな日本に一度是非訪れて彼の目でさまざまな物を見てみたいそうだ。いつの日か彼の洋服が日本のブティックに並ぶことを心に思い、彼の活躍をひそかに願った。

Denis Gagnonホームページ:www.denisgagnon.ca

取材・文:和田 良子
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