モントリオールに暑い夏がやってきた。春があってないようなモントリオールだけに、夏の訪れは突然である。そんな暑い夏を心待ちにしているモントリオールだけに、夏になると同時に人々のファッションもそれまでとは一転して開放的になる。今回はモントリオールのファッション2回目ということで、数名の人の普段着(今回はSt. Laurentあたりで出会った人を直撃)を紹介していきたいと思う。

Malin
St. LaurentにあるLola & Emilyの販売員。お店自体はオープンして約2年が経つのだが、彼女は去年の9月からここで働いているという。このお店はローカルデザイナーの服やインポート物を扱っており、彼女が着ているシャツはローカルデザイナーによるものだそうだ。シンプルなデザインではあるものの、腕のところをリボンで結ぶというちょっとしたことがこのシャツをおしゃれに見せているように思う。パンツのベルトも普通のものを使うのではなく、ピンクのスカーフのようなものを丸めてベルト代わりに使い腰の横で結んでいるのも素敵だ。一見彼女の服装はシンプルでどこにでもありそうだが、彼女のちょっとした工夫で普通からおしゃれな装いに仕立てている。

Ted De Geneve
St. Laurantを自転車で移動中の装い。夏はもっぱら自転車で!という彼は動きやすく、それでいてその日の気分にぴったりな服装を好むそうだ。Geneve出身のナイトクラブのプロモーターをしている彼。シャツはモントリオールにあるアフターアワーのクラブ、ARIAのもの。袖があったそうだが、それを切って頭にターバンのように巻き(St. Laurentのストリートセールで買ったという白い帽子の下に隠れていて見えにくいが・・・)、残りを腕のところに巻いている。これなら暑い夏もタンクトップで乗り切れる上、自転車で移動の際に頭と腕から流れる汗を抑えてくれるので自転車で移動の彼にはぴったりだ。靴はAdidasの黄色のラインがはいったもの。黄色いPEUGEOTの自転車の色とひそかにマッチしている。

Murad
St. LaurentにあるEURO Deliにいた、プロモーターの彼。バンクーバーからモントリオールに8年前にやってきたそうだ。緑のシャツ(Adidasの古着)がこの日の彼をお茶目に見せているようだ。カラオケが大好きという彼は日本にモントリオールのファッションを紹介したいというと大歓迎してくれた。靴はgravis、ショーツは昔から彼が着ている古いものだそうだ。特にお金のかけた装いではないが、古いものをうまく利用してこのカフェにぴったりな彼のキャラクターが出ているように思う。

Karine
St. LaurentにあるU&Iというブティックの販売員。ここではYSODenis Gagnonといったローカルデザイナーの服を多く扱っている。ハイチ出身の彼女。このワンピースはYSOのものだそうだ。真っ白なワンピースが彼女の肌の色によってよりいっそう惹き立てられている。また、青いターバンも彼女の文化背景を意識しながら、それでいておしゃれに仕立てている小物のようだ。

Pierre
Prince-ArthurにあるDUOというメンズショップの販売員。オープンして約一年というお店は主にPaul Smithなどのインポート物のスーツがずらりと並んでいる。買い付けは彼がしており、イタリアやロンドン、NYで見つけた、気に入ったものをモントリオールに持ち帰っているという。彼はスーツ姿で店に立つこともあるそうだが、その日のムードでその日の装いを決めるという。この日は暑い夏日ということもあってか、お店においているシャツにジーンズというラフな格好。しかし、時計はイタリアのPANERAIというところのもので、そこに彼の個性が光っているように思った。

今回はSt. Laurentのローカルデザイナー物を扱っているお店を紹介しながら、そこの販売員や街の人の装いを紹介してみた。St. Laurentといえば、モントリオールの地元の人が集まる通りということで、今回はここを中心におしゃれさんを紹介したわけだが、このように毎回異なる場所でそこにいる人々の普段の装いを発見していきたい。

取材・文:和田 良子
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