朝晩ともに涼しさが増し、秋の足音が聞こえ始めた初秋のモントリオール。「芸術の秋」という名にふさわしく、市内ではたくさんの文化行事が開かれています。その中で今回注目したのは、今年で16回目になるビジュアルアートのビエンナーレ「Momenta - Biennale de l'image」。今年のテーマは「The Life of Things」。コロンビア出身のキュレーターMaria Wills Londoño のによって世界20カ国から選抜された39人のアーティストの作品を、市内の多数のギャラリーや美術館で見ることができます。

  数ある会場の中で今回足を運んでみたのは、VOX, centre de l’image contemporaine で開かれている「 The Absurd as Counter-Narrative of the Object」と「Still Life in an Age of Environmental Crisis」をサブテーマとした展示。カナダ国内からは Elisabeth Belliveau, Bridget Moser, Meagan Musseau, Juan Ortiz-Apuy。英国からはMaeve BrennanとFelicity Hammond 。スイスからはPeter FischliとDavid Weiss 。オランダからAnouk Kruithof 、そしてロシアから Taus Makhacheva Russieと多国籍のアーティストの作品を堪能できる趣向となっています。

 個人的に特に印象に残ったのはJuan Ortiz-Apuyの「The Garden of Earthly Delights」と、Bridget Moserの「Every Room is a Waiting Room Part 1」というビデオ作品です。

 まず、Ortiz-Apuyの「The Garden of Earthly Delights」の方ですが、これはYoutubeからダウンロードした、自分が購入したものを箱から出し、触れているところを視聴者に見せるといった趣旨の「平凡なビデオ」をコラージュして製作された作品です。この手のビデオは一般的に あまり面白みがないように見えます。ただ単に「人の物質欲の表れ」としてだけでなく、「ビデオをアップロードした側と、その視聴者とのオンライン上の交流の起点になる」という観点から見ると、社会的な役割も有るのかと思えてくる興味深い作品でした。

 もう一方のMoserの「Every Room is a Waiting Room Part 1」ですが、強いて例えるならば、死にたくなるほど退屈した女性が、青とピンクのパステルカラーの自宅で奇行に走るといった感じのパフォーマンスビデオです。率直なところ何が何だかよく解らないけれど、その奇怪さとコミカルさが興味をそそり、ついつい最後まで見てしまう不思議な作品でした。

 なお、VOXでひらかれているこの展示、実はダブルのテーマ展示となっており、もう一つの方はGalerie de l’UQAMの方で「Cultural Objects and Material Culture」と「Thingified Beings or Humanized Objects」というサブテーマのもとに開かれています。12人の全く別のアーティストの作品から構成されてので、こちらの方も是非足を運んでみてください。

MOMENTAの詳しい情報はこちらから: https://www.momentabiennale.com/


文/Text畑山理沙Risa Hatayama
Photo: Courtesy of VOX, centre de l'image contemporaine
ギャラリー:VOX, centre de l'image contemporaine
所在地:2 rue Sainte-Catherine Est, espace 401
スケジュール(MOMENTA期間中):火〜金:12時〜18時 土・日:11時〜17時
メトロ:Saint-Laurent
ウェブサイト:HP
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