展示の様子1
展示の様子2
"Réminiscence clair-obscure"(c) Maryam Izadifard
 今回足を運んだのはVilleray―Saint―Michel―Parc-Extension地区に昨年の2月にオープンしたばかりのMaison de la culture Claude-Léveillée。以前もご紹介したことがあるので、ご記憶にある方もいると思います。ご存知ない方のために少しおさらいすると、これは25年という月日を経てこの地区にようやく誕生した、待望のMaison de la cultureで、Centre Jean-Marie Gauvreauという、昔の学校の建物の地上階に作られた場所です。

 現在このMaison de la culture Claude-Léveilléeのギャラリースペースでは「Rencontre avec l’art contemporain」というビジュアルアート、音楽、詩、ダンス、などの総合イベントの一環として、Mathieu Beauséjour, Michelle Bui、Maryam Izadifard、Jinyoung Kim、David Lafrance、Mathieu Latulippe、Frédéric Lavoieの6人のアーティストによる、彫刻、写真、ビデオ等の様々な作品が展示されています。このイベント全体を通して、不可解であまり親しみのない様々な現代アートの魅力を市民に伝える目的があるそうです。

 数多く展示されている作品の中で個人的に一番興味を引かれたのは、メインの展示室を通り過ぎて、その更に奥にある、小さな薄暗い第2展示室にひっそりと設置されている、Maryam Izadifardの「Réminiscence clair-obscure」です。まるで解体工事現場を思い起こさせるような、何かの骨組みのような彫刻を、床の上に設置した薄い白い台の上に置き、更にその床の白い台をスクリーンに見立て、音声付きのビデオをプロジェクターで映し出すという趣向のインスタレーション作品です。彫刻はベールのように天井から吊るされた軽く白い布を背景として置かれていおり、更に布の裏からは扇風機のようなもの随時風が送られているため、布自体がゆらゆらと揺れ動いているのが特徴的でした。技法と趣向自体は特に目新しいものではありませんでしたが、何かこの作品の作り出す繊細な空気感というか、ノスタルジックな雰囲気に心を惹かれ、思わず暫く立ち止まって見入ってしまいました。

 展示は8月18日まで。


文/Text畑山理沙Risa Hatayama
ギャラリー:Maison de la culture Claude-Léveillée
所在地:911, rue Jean-Talon Est
スケジュール:月・火:閉館 水〜金:12時〜19時 土・日:13時〜17時
メトロ:Jean Talon
ウェブサイト:HP
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