今回のギャラリーレポートはMaison de la culture Ahuntsic-Cartiervilleからお届けします。

 今回注目してみたのは、地元モントリオール出身のアーティストで、UQAMの芸術学部の教授でもあるChantal duPontの、芸術家としての長いキャリアに焦点を当てた回顧展です。その名も「Chantal duPont」と題されたこの展示には、duPontの20年以上に及ぶ活動で作り上げられた作品の中から厳選された 11点のビデオ作品が展示されています。この展示はConseil des arts de Montréalと、アーティスト・ラン・センターDazibaoの提携によって実現した巡回展示の一環で、このMaison de la culture Ahuntsic-Cartiervilleでの展示の他に、来年の2月下旬からはMaison de la culture Maisonneuve、そして後Maison de la culture Côte-des-Neigesに移動する事になっています。

 今回の展示では、薄暗く広い展示室の手前に、メインの展示としてduPontの作品が大きく壁に映し出されているほかに、展示室奥に設置された一台のテレビモニターに補足展示としてLaetitia BourgetBelinda CampbellBertrand R. PittVictoria StantonLisa SteeleEsther Valiquetteのビデオ作品が写し出されています。

 残念ながらメインのduPontの11点のビデオ作品、合計170分弱、補足展示の方も6作品、計約60分弱が連続して上映されているので、見る側にとっては大変見づらいというのが率直な感想です。上映時間の長さの他に、どれを取っても映画のように軸になるわかりやすいストーリーがあるわけではないので、余計に神経を集中して、意味や意図を分析しながらみなければならないという点も見づらさの要因に思えます。duPont作品に関して言えは「Du front tout le tour de la tête」の様に日記的でどこか幻想的であったり「Cartes et territoires」の様に空想的でモンタージュが特徴的な作品が11本立て続けに上映されても、何とか飽きずに全て鑑賞するのは至難の技だと感じました。その上、補足展示も全てビデオ作品となると、残念ながら訪れた人の目に触れられない作品も多く出てきてしまう事でしょう。これでは出展している作家の作品も浮かばれません。この展示に限らず、作品を連続して流すビデオやサウンドなどの「タイムベース」の作品展を見ると同様の印象を受けることが多いのですが、展示を企画する側も、「見たい人だけ見ればいい」「聞きたい人だけ聞けばいい」と言う考えから少し意識の矛先を変えて 、どうしたらもう少し見る側の興味と意識を持続しつつ、最大限に作家の作品の持ち味を引き出し、それを見せる展示にできるかを考えなければならないような気がします。


文/Text畑山理沙Risa Hatayama
ギャラリー:Maison de la culture Ahuntsic-Cartierville
所在地:10 300 rue Lajeunesse, 1er étage
スケジュール:火:13時〜20時 水〜木:13時〜18時 金〜土:13時〜17時 日〜月:休館
メトロ:Henri-BourassaSauvé
ウェブサイト:HP
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