今回のギャラリーレポートはダウンタウンのEdifice Belgoからお送りします。

 Edifice Belgo4階にあるVisual Voice Galleryは7年前にビジュアル・アーティスト兼オーナーであるBettina Forgetによって設立されたレンタル専門の展示スペース。昨年11月からは科学に関連したアート作品を展示するプライベートギャラリーとしてリニューアルし、毎月ごとに違うアーティストの作品を展示しています。

 現在展示されているのは、イギリス出身でOutaouais地域在住のSarah Hattonによる「Bee Works」。近年世界各地で起こっているミツバチの大量死や蜂群崩壊症候群(原因不明の大量失踪)の原因ではないかとされている、ネオニコチノイド系殺虫剤とミツバチについてをテーマにしたミックスメディア作品展となっています。展示室に設置された10作品の全てに、沢山のミツバチの死骸が素材として使われているのが特徴で、向日葵の花のタネの配列にみられるフィボナッチ数列に似たパターンに仕上げた作品や、ミステリー・サークルをモチーフにした作品など、全て幾何学模様で統一されています。これは作品を見た人を困惑させ、これによって方向感覚を失ったミツバチの感覚を視覚的に誘発させると言う目的が有るそうです。遠巻きに見るとこの規則的な幾何学的なラインが全体的に統一感を作る美しい作品なのですが、いざ近くに寄ってみると死骸の虫感がちょっとグロテスクな印象を与える、ギャップを楽しめる作品となっています。

 余談ですが、この作品展で使われているミツバチの死骸はHattonの自宅近くに設置された養蜂箱から集められたものと、友人知人を通じて集められたものの両方が使われているとの事です。この作品の為にわざわざミツバチを殺した訳ではないと言う事で安心しましたが、これだけの個体が、しかも世界中で「殺虫剤」という人間の私利私欲の産物のせいで被害を被っているかもしれないと考えると、とても感慨深かったです。


文/Text畑山理沙Risa Hatayama
Courtesy of Visual Voice Gallery
ギャラリー:Visual Voice Gallery
所在地:372, Ste-Catherine Street West, space 421
スケジュール:水〜土:12時〜17時
メトロ:Place-des-Arts
ウェブサイト:HP
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