Marché Maisonneuve
Espace Yves-Poulinでの展示の様子
Global warming (c) Dulce Pinzon
Natural beauty (c) Dulce Pinzon
 今回のレポートはEspace Yves-Poulinからお送りします!

Espace Yves-Poulin2013年秋にMarché Maisonneuveに隣接するPlace Gennevilliers-Lalibertéという広場に設けられた野外展示場です。名前の由来となったYves Poulinは、モントリオール市内でも古くから工場労働者が集中し貧困層が集まっていたていたMaisonneuve地区に青少年センターやコミュニティーセンターを設立するなど、この地区のさまざまな問題の改善に尽力したカトリックの区司祭でしたが、2000年に惜しくも57歳の若さでこの世を去りました。そしてPoulinが生前にこの地区に残した功績を讃える為に、この新しく設けられた野外展示場に彼の名前がつけられたとの事です。

 現在ひらかれている展示はメキシコ出身でニューヨーク在住のDulce Pinzonによる写真シリーズ 「Historias Del Paraiso」。文化による都市の活性化を目的とする団体Mouvement Art Public (MPA)によって企画された今回の展示では、7枚の巨大パネルに裏表あわせて13枚の写真を観ることができます。書いてあった説明によるとこの作品は解体目前の自然史博物館内に放棄されていた様々な小物を使って撮影された、現代人の自然との関わり等を問う作品だそです。

 特徴的なのはPinzonが動物と子供と言ったようなおとぎ話風のファンタスティックな世界観を醸し出している写真の他に、ロカビリー調のいかにも1950年代のアメリカを彷彿とさせる視覚的シンボルを使って撮影している写真がいくつか混じっているところです。しかし考えてみれば、おとぎ話と言うと森や山などの中に子供や動物を登場させて自然と人間の関わりを問うのは言わば想定内の事。一方、50年代と言えば第二次世界大戦後の人口増加によって沢山の人が都市部から郊外移りコミュニティーを形成し始め、それに伴い車やバス、鉄道などの交通網も飛躍的に整備されだした時代です。つまり、人間の自然界へ侵入がより一層強まり、新しい基準を作り出した時代へ視覚的にタイムスリップをさせる事で、現代の私たちに自然との関わり方や自然そのものについてを問いかけようとしている様です。しかし残念ながらこの設定は余りにも博物館の背景と登場人物がマッチしすぎていて当時の広告(特に性差別主義的な)やそれを真似た現代の雑誌の広告を思い起こさせるばかり。結果的にどの設定も、自然との関わりを問う事は愚か、観ている側がPinzonが何を言わんとしているのかと興味をそそるにも弱いアプローチの様な気がしました。


文/Text畑山理沙Risa Hatayama
ギャラリー:Espace Yves-Poulin
所在地:rue Ontarioとboulevard Morganの交差点
スケジュール:終日
メトロ:Pie-X, Viau
ウェブサイト:HP
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