Arsenal
展示室の様子
写真手前:Group of 20 (2011), Daniel Svarre 写真奥:Friendly Fire (2011), Wanda Koop
Delta (2011-2012), Dominique Gaucher
 今回のリポートは、いま急成長中のGriffintownに今年オープンした新しいアートセンター、Arsenalからお届けします。

 ダウンタウン南西部に位置するこのGriffintown。元々は鉄道や橋の工事現場で働くアイルランド系の移民達が多く住んでいた地域でしたが、50年代以降、産業の衰退や過疎化などにより荒廃の一途をたどり、閉鎖された工場や空き地、駐車場などが目立つ様になりました。しかし90年代からモントリオール市の都市開発計画の対象になった事を機に、高層マンションやカフェ、バー、アンティークショップが軒を連ねるトレンディーな地域へと変貌を遂げつつあります。

 Griffintownの目抜き通りであるRue Notre-Dame沿いに建てられた造船工場をリニューアルして今年オープンしたばかりのArsenal。元工場と言うだけ有って、総面積一千坪を超える広さを誇っています。建物一階の吹き抜けの大展示室では、現代アートをより多くの人に知ってもらう目的で、センターの創始者とゲストコレクターのコレクションの数々が無料で一般公開されています。展示室の大きさに負けないスケールの大きな絵画、彫刻、写真など、バラエティーに富んだダイナミックな作品を一堂に楽しむことができるようになっており、ここまでくるともう個人美術館と呼んでも過言ではありません。

 このコレクションの展示作品は不定期に入れ変わると言う事ですが、私が訪れた時は Anselm KieferGenèvieve CadieuxWanda Koop、須田悦弘、Daniel Svarreなど、国内外の色々なアーティストの作品を見ることができました。なかでもひときわ目を引いたのが、Dominique Gaucherの「Delta」という長さ10メートルを超える大迫力の平面作品。遠くから見ると抽象的な作品なのかと思っていましたが、近よってみると町や小さな人々などが鮮明になり、何処かの砂漠の町の様な風景だと言う事が分かってきます。細かな表現に何か絵巻とか歴史ジオラマのようなストーリー性も感じられ、その完成度の高さに脱帽してしまいました。実はこの作品には遠くから望遠鏡で細部を眺める事が出来ると言う、ちょっとした仕掛けも施されていています。こうした細部までのこだわりにはただただ感服しました。

 なお、この建物の2階部分の映写室(私が訪れた時はÉtienne de Massyの新作ビデオ2作品を見ることができました)、プライベートコレクションの並ぶ廊下、及びGalerie DivisionGalerie René Blouinの2つののプライベートギャラリーも入っていますので、興味の有る方は是非こちらの展示にも足を運んでみて下さい。


文/Text畑山理沙Risa Hatayama
Photo: Courtesy of Arsenal
ギャラリー:Arsenal
所在地:2020 Rue William
スケジュール:火〜金:10時〜18時 土:10時〜17時
メトロ:Georges-Vanier
電話:514-931-9978
ウェブサイト:HP
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