Dissolution (2001) (C) Jana Sterbak
Condensed (1979) (C) Jana Sterbak
Acteon at home (2005-11) (C) Jana Sterbak
 風に揺れる葉影から射し込む陽の光に、初夏を感じる今日この頃、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

 今回足を運んだのはダウンタウンのEdifice Belgoの4階にあるGalerie Laroche/Joncasというコマーシャルギャラリー。2005年にオープンした当時はProjex-Mtlと言う名前でしたが、2010年の秋にGalerie Laroche/Joncasに改名され現在に至っています。

 気になる展示の方ですが、今開かれているのはモントリオール在住で、今年カナダの総督ビジュアル/メディアアート賞を受賞したJana Sterbakの「Back Home」と言う作品展。Sterbakと言えば1987年制作の「Vanitas: Flesh Dress for an Albino Anorectic」という牛肉を素材としたドレスを真っ先に思い浮かべる方も多いかと思います。(注:レディー・ガガの「牛肉ドレス」より20年以上前の作品です!)残念ながら牛肉ドレスはこの展示に含まれてはいませんが、その代わり1979年から2012年の33年間に制作された十数点を観ることができ、Sterbakのアーティストとしての長いキャリアを垣間みることができる言わば回顧展となっています。

 さて今回の「Back Home」という展示で気になったのは「Dissolution」(2001)という背もたれと座面が氷で出来ている椅子が崩れて行く様を連写した写真作品で、ミニマルで洗練された見た目とは裏腹に、何か社会からの束縛や見えない圧力に耐えなければならない不安定な人間の心理を垣間みたような気がしましたが考え過ぎでしょうか?それから、「Condensed」(1979)と言う小さなビーチボール風の彫刻作品も、見た目のカラフルで明るい印象とは裏腹に、重さが20キロもあり、意外性が面白い作品でした。

 この展示全体を通してSterbakが重ねる何層もの意味が、絶妙なバランスで保たれていると言う事がよく分かると思います。見た目の美しさはさることながら、掘れば掘る程、色々な読み方できて奥が深い作品展だと思いました。

 余談ですが、現在、モントリオール現代美術館で開かれている「Zoo」というグループ展に「Chair Apollinaire」(1996)という牛肉を、独りがけソファーの表面にに貼って作った作品を観る事が出来るので、Galerie Laroche/Joncasでの「Back Home」と合わせて鑑賞すると面白いかもしれません。


文/Text畑山理沙Risa Hatayama
Photo: Courtecy of Galerie Laroche/Joncas
ギャラリー:Galerie Laroche/Joncas
所在地:410-372 Ste-Catherine O.
スケジュール:水〜土:11時〜18時
メトロ:Place-des-Arts
電話:514-570-9130
ウェブサイト:HP
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