突然20度を超える暑さに見舞われたかと思うと、どんよりとした灰色の空から冷たい雨が降り注ぎ、10度を切る寒さに見舞われる不安定な天候のモントリオール。ぽかぽか陽気の温かい春を待ちこがれる今日この頃です。

 さて今回訪れたのは、建築やアーバニズムに関した作品を扱っているアーティスト・ラン・センター、La Maison de l'architecture du Québec (M.A.Q.)Vitrine MAQというLe Palais de congrèsLa Caisse de dépôt et placement du Québec (CDPQ)を結ぶ地下通路のウィンドースペースです。地下にあって目立たない為、知らないと分かりにくい場所ですが、毎年2月頃に開催されるArt Souterrainをご存知の方なら何度かその前を通りかかった方も居るのではないでしょうか?

 現在見ることができるのはバンクーバー出身で現在はモントリオール在住のLinda-Marlena Bucholtz Rossによる写真展。「La beauté sauvage des chantiers de Montréal(訳:モントリオールの建設現場の荒涼とした美しさ)」という題で、5枚の写真から構成されています。現州政府の建設会社との癒着と汚職がスキャンダルになっている現在、こうした社会的背景を踏まえて作品を見に行こうとすると、先入観が先立って「何か社会的メッセージが込められているのではないか」と勝手に想像してしまうものですが、実際にこの作品を見てみると、どの写真もそれぞれのタイトルも表面的かつ単純明快で、単に「キレイ」な写真としてまとまっている事に気づくでしょう。この作展示の題が「La beauté(美しさ)‥‥」と言うだけあって、社会的な意味は特に無いのか...?そこらを探るべくBucholtz Rossのコメントを読んだのですが、やはり特に社会的意味を持つ作品ではなく、単に建設現場の美しさに惹き付けられた事がきっかけとなった作品だと言う事が分かりました。別に意外な被写体に美しさを追求するのを批判しているわけではないのですが、個人的には軸になるコンセプトがちょっと物足りなかったかも...

 余談ですが、私は建設現場が好きで、通りかかると足を止めて現場の人たちの動きや重機の動きに見入ってしまいます。でも、こうやって写真として一コマに捉えて現場の様子を見る事もあまり無いので、何となく新鮮ではありますが、残念ながらウインドースペースのガラスが通路の照明を反射して中の写真が見えにくいのと、ガラスが鑑賞者と作品との距離を作ってしまってせっかくの細部を見るのに適さないところに違和感と不満を覚えました。展示スペ−スの見た目はこれで申し分無いかもしれませんが、もう少しこの作品の醍醐味を味わうには粘着性ビニール素材か何かを使ってガラスに直接貼る様な展示方法などが適しているのかもしれません。

 なお、La Maison de l'architecture du Québecのギャラリースペースでは「Monographie MAQ 02 : Lapointe Magne et associés (1992- 2012) vus par Marie-Paule Macdonald : Dialogues avec la ville en transformation」という展示も開かれているので興味の有る方はぜひ足を運んでみて下さい。


文/Text畑山理沙Risa Hatayama
Photo: Courtesy of La Maison de l'architecture du Québec
ギャラリー:Maison de l'architecture du Québec
所在地:181 rue Saint-Antoine Ouest
スケジュール:水〜金:13時〜18時 土:12時〜17時
メトロ:Place-d’Armes
電話:514-868-6691
ウェブサイト:HP
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