Beth Stuart, The Mending, 2010
Photo: É. Excoffier
Beth Stuarttwo sticks in a shed」展示の様子
Photo: É. Excoffier
Beth Stuarttwo sticks in a shed」展示の様子
Photo: É. Excoffier
 街中が白で覆い尽くされている極寒のモントリオール。今回のギャラリーレポートは、そんな真冬の寒さに負けず、Parc-Extensionの外れにあるBattat Contemporaryからお送りします。

 Battat ContemporaryJean-Talonマーケットから徒歩で西へ15分程行った所にある新しいコマーシャルギャラリーで、レンガ作りの工場や倉庫が立ち並ぶ通りに2009年の春にオープンしました。ここは国外作家の作品も扱っていますが、カナダ人の現代アート作家の作品を国内外に広める事に重点を置いているそうです。個人的には、低所得移民が集まるとされるParc-Extensionと言う市内でも屈指の多文化多民族区域の外れに出来た現代アートギャラリーという事で、始めは何だか意外と言うか不思議な気がしたのですが、いざ建物入口のドアを開けて階段を上り中に入ってみると、そこには明るくオープンで広々とした展示スペースが広がっていました。

 さて、このスペースで私を迎えてくれたのは、サスカチュワン州出身で現在はトロントで活動しているの新鋭作家Beth Stuartによる作品展。実はこのBeth Stuart、昨年のRBCカナダ絵画コンクールで準決勝まで残った実力を持つ若手作家と言う事で、彼女の作品が見られることを楽しみにしていました。

 というわけで、今回の「deux bâtons dans un shed - two sticks in a shed」と言うタイトルの抽象絵画と立体作品約12点から成るこの展示。広々とした展示スペースに比べて、全体的に作品自体の大きさは若干小さめに見えましたが、よく見かける大型絵画が所狭しと並ぶ展示に比べると、空間を包む空気が息苦しくなく、逆にフレッシュに感じられました。しかも色使いも控えめで、タッチも繊細で女性的な雰囲気を醸し出していたように思います。欲を言えばもう少し作品の数を見たかったかも… それでもどの作品も何処かミステリアスな為か、作品を構成する細部まで無理なく「すーっ」と引き込まれていき、時間を忘れてじっくりとと楽しむ事が出来ました。

 余談ですが、このBattat Contemporaryの近所には2007年から活動しているEastern Blocと言うニューメディア・アートを中心に展示しているアーティスト・ラン・センターもあるので、Battat Contemporaryで作品鑑賞したついでに、興味があったらそちらの方も覗いてみてはいかがでしょうか?


文/Text畑山理沙Risa Hatayama
Photo: É. Excoffier
ギャラリー:Battat Contemporary
所在地:7245, Rue Alexandra
スケジュール:火〜金:12時〜18時 土:12時〜17時
メトロ:De Castelnau
電 話:514-750-9566
ウェブサイト:HP
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