Alain Champagne
Stéphane DionneDédale」(左) 「Cellules」(右)
Stéphane DionneCellules(close-up)
 インディアンサマーの訪れる気配も無いまま冷たい雨が続き、日中の気温も10度を割る日が続く今年のモントリオールの秋。休日には、温かい飲み物を片手にお家で“まったり”読書と決め込むのがもってこいと言った気候です。

 さて、今回訪れたのは、地下鉄Mont-Royal駅の真迎いにあるLa Maison de la Culture du Plateau-Mont-Royal。1896年に寄宿学校として建てられたこの古い建物は、1980年にモントリオール市が所有して以来、Maison de la Cultureとして市民に親しまれています。Maison de la Cultureとは、以前このコーナーで紹介ましたが (Galerie #18参照)市によって文化促進を目的に運営されているネットワークの総称であり、図書館、ギャラリー、劇場、コンサートホールを総括したコミュニティーセンターで、一年を通して様々な催しが開催されています。そして、このLa Maison de la Culture du Plateau-Mont-Royalには、図書館に隣接された廊下の壁スペ‐スと、コンサート会場兼シアターに隣接された中規模の展示室の2つが利用され、一度に2人の作家の作品を展示することができます。本を借りたついでに、ふらっと立ち寄るにはもってこいなギャラリーです。

 そして現在は、廊下の展示スペースには地元の写真家Alain Champagneの写真展「Japonitude」が開かれており、京都への旅で撮影されたデジタル写真14点あまりを見ることができます。正直なところ、この展示の名前を見た時から一体どういった主旨なのか気になっていたのですが、作品紹介文にうたわれている様な現代日本の「西洋化」と「古来の伝統」の「共存」をみじんも感じさせない、意外性や驚きもない、単に奇麗なポストカード写真のような龍安寺や西芳寺、三十三間堂などの有名どころの写真ばかりが並べられていたことに非常にがっかりしたと言うのが本音です。作家の意図が全く伝わらず、これでは訴えることも何もない、只のストック写真の要素しか感じられませんでした。

 奥にある薄暗い展示室の中では、Stéphane Dionneの「Fragments」と言うビデオインスタレーションを見ることができます。「Cellules」と「Dédale」と言う題のコラージュのような2つのビデオ作品は、グローバル化の進む現代社会に置ける「個人」と言うものの定義などを問いかけるものだと言うことです。どちらのビデオにも、沢山の人々が所狭しと登場するのですが、これは一目瞭然、作家自身が同じシチュエーションで撮影した個々の人々を巧みに画面に配置して、一種のバーチュアル・コミュニティーの様なものを作った結果です。とは言うものの、両作品が同じ様なちょっと手の混んだ手法(レーヤー、羅列など)で作られている為か、私には「個人」と言うもののあり方を考えさせるまでには至らない、残念ながら単に視覚実験的なライトな作品にみえてしまいました。


文/Text畑山理沙Risa Hatayama
Photo: Courtesy of La Maison de la Culture du Plateau-Mont-Royal
ギャラリー:La Maison de la Culture du Plateau-Mont-Royal
所在地:465, avenue du Mont-Royal Est
スケジュール:火〜木:13時〜19時 金〜日:13時〜17時 月:休館日
メトロ:Mont-Royal
電 話:514-872-2266
ウェブサイト:HP
当ホームページ内の画像・文章等の無断使用、無断転載を禁じます。すべての著作権はFROM MONTREAL.COMに帰属します。情報の提供、ご意見、お問い合わせは「左メニューのCONTACT」よりお願いします。
Copyright (c) 1996-2010 FROM-MONTREAL.COM All Rights Reserved