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さて、今回のギャラリーリポートはGalerie B-312からおおくりします。このGalerie B-312は前回取材したL'édifice Belgoの4階に位置しており、このビルに入っている4つのアーティスト・ラン・センターのうちの一つになっています。媒体にとらわれず、実験的な作品や若手作家の作品の発表に積極的で、ギャラリー内に設けられた大小2つの展示スペースで開催される企画展の他に、一年を通してパフォーマンスや音楽コンサートなどのイベントにも力を入れています。 気になる現在の展示の方ですが、今年度の締めくくりとして、モントリオール出身の画家Lise BoisseauによるLes heuresという展示開催をしています。(注:この展示が終わると秋までギャラリーの展示活動はお休みとなります。)2つの展示スペースの壁にはBoisseauの中国書道のテクニックからインスピレーションを受けて描かれたと言う白黒の絵が大中会わせて9点、そしてギャラリー右奥のオフィスにさらに2点飾られれており、無数の幾何学的かつ有機的なラインが織りなすなす不可思議な世界にしばし見入ってしまいます。なかでも特得に印象的だったのが8枚のファブリアーノ紙をダイナミックに分散させて創られた「Grand dessin 6 (Danse dans la neige, prise dans le plan)」という作品。近くに寄ると見えてくる鉛筆の下書きと、その上に描かれた升目の一つ一つを通る繊細な筆さばき・・・ そして一旦作品を離れて注意深く見てみると、一体何処から湧いてきたのか(?)、この無数の整然とした線の中から人のような形が見えてくる仕掛けになっていました。 全体を通して言えるのは、使われている色が白と黒とシンプルであるため、フォルムが余計に強調されて、「ただひたすら線を描いてパターンを作って行く」そんな地道で根気の要る作業の連続からこの作品が出来ている事を垣間みれるという事です。作家の力強い一筆一筆を見る側が感じとれる作品が多かった様に感じられました。
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文/Text:畑山理沙/Risa Hatayama Photo: Courtecy of Galerie B-312 | |||||||
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