(c)Betty Goodwin
(c)Betty Goodwin
(c)Betty Goodwin
 2月に入り、モントリオールはどんよりとした灰色の空が更によどみ、冬の正念場を迎える今日この頃、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?今回のギャラリーリポートは、そんな憂鬱な冬にしばしば訪れる冬晴れの午後の散歩にもってこいのGalerie Simon Blaisからお送りします。

 地下鉄をLaurier駅で降り、Saint-Laurence通りを徒歩10分ほど北に行った所にあるこのGalerie Simon Blaisは、1989年の設立以来、絵画、ドローイング、版画、写真、彫刻など多種に渡って取り扱っているプライベートギャラリーで、地元の有名アーティストのみならず、若手の新人の作品迄も幅広く扱っているのが特徴です。

 現在は、一昨年、惜しまれながらも85歳で生涯を閉じた、地元モントリオール出身でカナダを代表するアーティストBetty Goodwinの遺作展が開催されており、1969年から、カナダ総督からのビジュアル・アート賞を受賞した2003までに手がけられたエッチング、リトグラフ、シルクスクリーンなどの作品17点の余りと、アーティスト・ブック(注:本という形で表現された美術作品)2点からの構成となっています。昨年はモントリオール美術館を皮切りに、現代美術館でも遺作展が開かれましたが、今回は大きな美術館とはちょっと嗜好の違う、小ぢんまりとした密な空間での遺作展で、各作品の細部まで、時間をかけてじっくりと鑑賞する事が出来るようになっています。しかし、ここがプライベートギャラリーということもあり、各作品の脇につけられてたリアルな正札の売買価格が気になってしまったのも確か。かなりの高額の作品がほとんどだったので、正直、余計に気になってしまいました。

 詳細はさておき、作品の方の話をすると、特に圧巻なのは「gilet (ベスト)」をモチーフにした写実的な質感を表現したエッチングの数々ではないでしょうか。まるで生地をそのまま使って紙に印刷したのではないかと目を疑うほど細密で、近くによってみると、細かいくしなやかな線が一本一本刻まれているのを見ることができます。このエッチングの安定した線とは対照的に、人体をモチーフに、柔らかくかすんだ様な線を使って、まるで人間の存在の不安定さや曖昧さを巧みに表したリトグラフも、思わず時間を忘れて見入ってしまいました。

 このBetty Goodwinの遺作展の隣の展示スペースでは、平行してギャラリー専属の作家達の絵画、写真などの作品のを見る事ができるので、興味のある方は是非そちらもチェックされる事をお勧めします。

文/Text畑山理沙Risa Hatayama
Photo: Courtesy of Galerie Simon Blais
ギャラリー:Galerie Simon Blais
所在地:5420, Saint-Laurent Blvd. Suite 100
スケジュール:火〜金:10時〜18時 土:10時〜17時
メトロ:Laurier
電 話:514-849-1165
ウェブサイト:www.galeriesimonblais.com
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