S'absenter #2
(c)Sylvie Readman
S'absenter #3
(c)Sylvie Readman
S'absenter #4
(c)Sylvie Readman
 青々とした緑の木々の葉に覆い尽くされるモントリオールの初夏となりましたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?今回のギャラリーリポートは、そんな生気溢れる初夏の散歩にはもってこいのMile-Endにあるアーティスト・ラン・センターOccurrence, espace d'art et d'essai contemporainsから現在開かれている展示の様子をお伝えします。

 さて、このOccurrenceですが、市内中心部にあるL'edifice Belgo隣の雑居ビルに入っていた時代の事を覚えている方も多いのでは無いでしょうか。数ヶ月前にその雑踏から抜け出し、静かなMile-Endにオープンしたこの新しいスぺースは、Avenue du Parc沿いの小さなブティックが立ち並ぶ一角に在ります。入り口のドアを開け、階段を数段上り、いざギャラリー中へ入ってみると、右手にはレセプション、左には展示室、そしてその奥には地下の展示室へ繋がる階段が目に入って来ます。未だオープンンして間もない故の新鮮さと静けさ、シンプルでこじんまりとした内装からは、ちょっぴり小洒落た雰囲気が漂っていました。

 気になる展示の方ですが、現在はケベックを代表する写真家の一人で、80年代からずっと活動を続けているSylvie Readmanの『S'ABSENTER』と言う展示を観る事が出来ます。写真6点とビデオ3点のから成るこの一連の作品は、作家が2006年にアルゼンチンの首都、ブエノスアイレスのアトリエで1ヶ月間の滞在制作をした際に始めたプロジェクトで、2001年に同国で起こった歴史的政治危機を反映した作品との事。危機の際に閉鎖された、ひとけもなく寂れていく工場を、焦点を意図的に外した感じで写したものを、モノクロまたはセピア調に仕上げた作品が主で、第一印象から全体的にノスタルジックな気持ちを起こさせます。そして、この作家の手法が、ただ単に悲惨さや過酷な現場を正面から見せてくるジャーナリズム的なアプローチとは全く異なり、詩的で親密、そしてそこから醸し出される何となくミステリアスな雰囲気を美味く創り出しているので、観る側の想像を巧みにかき立てる作品となっています。ただ、個人的に一つ残念だったのが、地下に置いてあるビデオ作品から映し出される映像の大きさ(葉書大位の大きさ)とスピーカーから流れ出して展示室を埋め尽くす、ベースの効いた音の大きさが私にはミスマッチに思えた事かも知れません。もしも小さく映像を流す事によって「静かに絶え間無く過ぎ去って行く時」か何かを表したかったとしたら、ヘッドフォン等の手法がより効果的だった様な気がしました。

 何はともあれ、皆さんも興味があったら是非一度訪れて観る事をお進めします。ちなみに余談ですが、歩いて2分位のところに以前紹介されたArticuleと言う違うアーティスト・ラン・センターや、(Galerie #2参照Galerie Mile-Endと言うアーティスト・コレクティブ/コミュニティーギャラリーも在るので、ミニギャラリーツアーをしながら、Mile Endを散策してみるのも面白いと思いますよ!

文/Text畑山理沙Risa Hatayama
Photo: Courtesy of the artist
ギャラリー:Occurrence, espace d'art et d'essai contemporains
所在地:5277, avenue du Parc
スケジュール:火〜土:12時〜18時
メトロ:Laurier, Outremont
電 話:514-397-0236
ウェブサイト:www.occurrence.ca
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