ようやく街から雪が消え、日差しの暖かい穏やかな日が続き、春の訪れを感じる今日この頃、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?今回のレポートは、カナダでも有数のアートプログラムと設備を備えているコンコルディア大学のダウンタウンキャンパスある、Leonard & Bina Ellen Galleryから、Rebecca DuclosDavid K. Rossのキュレーションによる『As much as possible given the time and space allotted』と言う展示の模様をおします。

 さて、このLeonard & Bina Ellen Galleryは、以前の大学付属ギャラリーが1992年に現在のコンコルディア大学図書館の建物に開設によって移転されたのを機に改名されて出来たギャラリーで、一年を通して6、7回の展示を開いているほか、アートに関する本やカタログの出版にも力を入れてる所です。また、隣接している倉庫には1700点以上のコレクションが保管されている事から、ギャラリーと言うよりはむしろ『小さな美術館』と言った方が無難かもしれません。

 そして、今回の『As much as possible given the time and space allotted』という展示では、これら保管されている数多くのコレクションが主役になり、いつもの展示会とは違った思考で展開されています。ちょっと説明すると、これはギャラリーのスタッフとコンコルディアの学生ボランティアが協力して、全6週間の展示期間の中、始めの3週間を倉庫のコレクションを出来る限りギャラリーの壁や床へ設置する事に費やし、残りの3週間をその設置した全ての作品の撤去に費やすと言うもので、ギャラリーの変貌、すなわち『空〜ー満杯〜ー空』と言う変化の行程を随時鑑賞する事が出来ると言うものです。ちなみに、私が訪れたのは未だ展示開始から1週間後の時点でしたが、もう既にギャラリーはかなりの数の作品でごった返していました。また、倉庫の作品は、展示の承諾を得た作品のみから構成されているそうですが、棚や引き出しの左上から順々に作品を取り出したのち、ギャラリーの中に、これまた左上から順々に、まるで渦を描くようにギャラリーを埋め尽くしてゆきます。この規則的ではあるものの無作為な作品選択の為に、テーマやメディアには特に一貫性はありません。その上、壁上のサロンスタイルの設置レイアウトはあらかじめ作ったものに沿って並べられているそうですが、計算ミスなどでレイアウトが変わるのも当たり前だそうで(*壁に貼られた作品リストに『error』の文字を観る事が出来ます!)この企画の実験性が伺えます。普通なら、細心の注意を払って設置され、一環したテーマをもった作品展示が然るべきですが、あろうことかスタッフが金槌を持って作業している姿があるギャラリーへ見に行くので、全てが逆転の発想から生まれた今回の展示が非常に新鮮に映りました。

 みなさんも是非、金槌の『コンコンコン』という音が響くギャラリーの中で、しばし無数のアート作品に囲まれてみてはいかがでしょうか?いつもと違ったアートへのアプローチに、新しい発見を見いだす事が出来るかもしれませんよ!

文/Text畑山理沙Risa Hatayama
Photos: David K. Ross
Courtesy of the Leonard & Bina Ellen Art Gallery
ギャラリー:Leonard & Bina Ellen Art Gallery
所在地:Concordia University 1400 blvd. de Maisonneuve West, LB-165
スケジュール:火〜金:12時〜18時 土:12時〜17時
メトロ:Guy-Concordia
電 話:514-848-2424 ext.4750
ウェブサイト:Leonard & Bina Ellen Art Gallery
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