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さて、モントリオール市内の各居住区にあるMaison de la cultureは、市によって文化促進を目的に運営されているネットワークの総称であり、ギャラリー、劇場、コンサートホールを総括したスペースの中で、一年を通して本当に色々な催しが開催されています。なかでも今回訪れたMaison de la cultureの、Maison de la culture de Côte-des-neigesは展示室が一階と二階に別れているのが特徴で、他のMaison de la cultureに比べてもかなり充実した広さを持つギャラリーとなっています。 冒頭でもお知らせしたように、現在開かれているのはMichel Leclairというモントリオール出身のベテランビジュアルアーティストの写真をベースとしたコラージュや彫刻、インスタレーション作品などの展示で、彼の30年余りにわたる活動の集大成を観る事が出来ます。正式には表記されていませんが、 作品の量、そして作品の年代も広範囲に渡る事から見ても『小さな回顧展』と言った方が妥当かもしれません。展示室一階は1973年から2009年までのリトグラフやコラージュなどの平面作品を中心に構成されており、作家のテクニックやスタイル、そしてモチーフの変化をじっくり鑑賞する事が出来ます。この展示室でとりわけ目を引いたのは、ただ紙に写真を焼き付けるだけの伝統的な写真とは異なったアプローチをとる近年のコラージュ作品。写真や紙をちぎり絵のように貼付けて創られたミクスドメディアの作品で、白を基調としたミニマルな構図が魅力となっています。 そして2階へ上ってみると会場には1980年代を中心にして創られた彫刻作品やインスタレーションを観る事が出来ます。コンセプチュアルで演出された作品が主流となっている今日の現代写真の世界とは違った、三次元の物体を写真に捕らえる事で2次元化すると言う行程自体を主題にした作品など、写真というメディアの原点を探るものや、写真と彫刻との関連性等をテーマにした作品が多いので、写真史や写真論に興味が有る人には色々考えさせられる展示となっているように思います。皆さんも外の寒さをしばし忘れて、一人の作家が取り組んだ30年に渉る写真への探求と情熱を堪能してみてはいかがでしょうか。
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文/Text:畑山理沙/Risa Hatayama Photos: Courtesy of the artist | |||||||||||
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