展示の様子
Autoportrait no.1 (2007)(詳細)
Autoportrait no.2 (2008)
Untitled (2007)(左)
Extrait no.1-no.3 (2008)(右3点)
 長かった夏休みも終わり、これからいよいよ芸術の秋本番!そんな今回のギャラリーリポートは、Pierre-François Ouellette art contemporainから、日本ともゆかりの深いビジュアルアーティスト、Jérôme Fortinの【autoportraits】と言う展示の様子をお届けします。

 この展示は、Fortinが昨年末に東京ワンダーサイトの クリエーター・イン・レジデンス に招かれた際に製作した作品を主に展示したもので、スーパーのチラシや電話帳等の様々な紙を両面テープの表面に繰り返し折り付けたものを切り、着物や反物の店頭ディスプレーのように見立てた立体作品。近くによって見ると、折り込まれた様々な文字が無造作に目に飛び込んでくるのがこの作品の醍醐味と言えよう。昨年2月にモントリオール現代美術館で開かれた彼の個展を見た方々にはお分かりと思うが、同じパターンが一つのフレームの中に雑然と羅列していた前回の”Écrans”と言うシリーズと比べて、枠を超えた自由さ、そしてそこから溢れ出すエネルギーのようなものを強く感じる作品となっている。とは言うものの、3つ展示されているこの“autoportrait”と題された作品の中で私が一番ひかれたのは、白紙の五線譜を折り込んだ“autoportrait no.2”で、折り込まれた五線がまるで細く切った白い竹を小さく帯状に編み込んだかの様な、非常にしなやかな印象を与える美しい作品。裏面の黒との対比もこの作品により一層の奥深さを加えているように感じられた。このほかにも、今回はレコード盤を意識した“Ostinato”と“Extrait”というシリーズからも数点展示されており、アーティスト がここ数年に渡って積み上げてきた【紙を折る】と言う反復的なプロセスの集大成を見ることができるといっても過言ではない。

 もともと数年前に日本を訪れた事がきかっけとなってこの様に紙を素材とした作品を作り続けてきたFortinだが、本人いわく「今回でこの技法をとるのは最後になる」と言う事。ここ数年、彼の作品の進化を見つめてきた立場からすると、アーティストとしての活動に一区切りつけたい・・・そんな彼の心情がひしひしと伝わってくる気がする。 また、【autoportraits】(自画像)と言う展示の題名とは裏腹に、展示されている作品の中に彼本人の顔や体をモチーフとしたものは一切無い事からも、彼の今までの作品の歩みをより一層踏まえて観る必要がある展示の様に思われた。

文/Text畑山理沙Risa Hatayama
Photos: With kind permission from Pierre-Françoisois Ouellette art contemporain
ギャラリー:Pierre-François Ouellette art contemporain
所在地:372, Rue Ste-Catherine Ouest, #216
スケジュール:水:12時〜19時 木〜土:12時〜17:30時 日〜火:休館
メトロ:Place-des-Arts
電 話:514-395-6032
ウェブサイト:http://www.pfoac.com
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