(c) Nicolas Baier, "Vanité"
(c) Pascal Grandmaison
(c) Pierre Dorion
 多種多様のフェスティバルで盛り上がるモントリオールの夏。この時期、ほとんどのア−ティストランセンターやギャラリーが9月中旬まで休館しているため、街のアートシーンはまるでシエスタの最中かと思うほど閑散としている。しかし、嘆くのは未だ早い。こんな時は、現代美術館やプライベートギャラリーを訪れて、じっくりアートを愉しめば良いのだから・・・というわけで、今回は数あるプライベートギャラリーのなかでも、モントリオールで一二を争う程有名なGalerie René Blouinから、1986年の設立以来、恒例となったギャラリー専属ア−ティストの夏期グループ展の様子をお届けしたい。

 さて、この【Close UP】と題された今年の展示、テーマは文字どおり“クローズアップ”だそうだが、作品の趣向も、抽象的な物から描写的な物、煤介も写真、絵、ドローイング、彫刻と様々である。参加しているのは、Nicolas Baier, Marie-Claire Blais, Geneviève Cadieux, Patrick Coutu, Pierre Dorion, Betty Goodwin, Pascal Grandmaison, Geoffrey James, Chris Kline, Daniel Langevinと見て分かるように著名ア−ティストの名が続々と連なっている。(*有名ア−ティストだから必ず良い作品・・・と言う意味ではないので悪しからず!)

 静かでゆったりとしたこの展示スペースの中で、今回最も目をひいたのはPatrick Coutuと同様に、現在モントリオール現代美術館で開かれているケベックトリエンナーレにも出展しているNicolas Baierの【Vanité】という作品だった。(*トリエンナーレで見る事が出来る同名の作品とは違うシリーズ)。もともと40枚の古鏡を写真で撮り、壁に一つ一つ貼付けて巨大な楕円のような形をつくる作品だが、この展示ではその中から抜粋された2つの写真を間近で見る事ができる。鏡の枠をそのまま生かして写真に納めているということや、鏡と言われなければ分からない程ダメージが激しい表面を選んだせいもあるのか、写真と言うよりは抽象画や騙し絵といったような印象を強く受けた。

 その他にも、Pascal Grandmaisonの【En espérant que la lumière nous sauvera 2】という男性の目元を捕らえた写真作品や、Pierre Dorionの【Tatamagouche】と言う題名で、何所に続くか分からない何となく不思議な歩道を描いた油絵を目の前に、しばし外の雑踏を忘れ、優雅な夏の午後の一時を過ごせたような気がしたのは私だけだっただろうか?

文/Text畑山理沙Risa Hatayama
Photos: With kind permission from Galerie René Blouin
ギャラリー:Galerie René Blouin
所在地:372, Rue Ste-Catherine Ouest, ch.501
スケジュール:火〜土:11時〜17時
メトロ:Place-des-Arts
電 話:514-393-9969
ウェブサイト:http://www.galeriereneblouin.com
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