Raclette
 「アルプスの少女ハイジ」のなかでハイジやおじいさんが、チーズを暖炉で溶かして食べるシーンがありました。あれがまさにラクレットチーズです。「ラクレット」とは”削り取る”(ラクレ)という意味で、もともとは暖炉や専用のオーブンでチーズを溶かし、じゃが芋などに添えて食べる料理の名前だったもので、それが転じて、チーズ名になりました。

 料理としてのラクレットはもともとスイス料理で、スイスやフランスでは、茹でたじゃが芋、ハムやサラミをチーズと食べるスタイルが一般的です。ケベックのラクレットは一味違い、色んな野菜を好みで加え、 サラミや更にはシーフード、チキンなども一緒に食べるスタイルがの方が人気のようです。また、もう一つ大きく違うのは、スイスやフランスでは、機械上部のグリルはじゃが芋の保温機として使われていますが、ケベックではシーフードやチキンを焼いて食べる調理機として使われています。

<用意する物>
ラクレット専用グリル
ラクレットチーズ 1人100g150g(ラクレットのチーズは小さなフライパンの大きさに切ってある物がパックで売られています。大きめの塊を買ってきて 薄く切って食べるのもいいと思います)
グリルで焼いて食べるもの(海老、帆立、チキン等好みで)
ラクレットの小さなトレイにチーズと一緒に入れるもの(カリフラワー、ブロッコリー、マッシュルーム、玉葱、ねぎ等好みの野菜。サラミ、ハム等)
付け合せ(じゃが芋やパン)
ピクルスやニンニクの酢漬け、オリーブ等(箸休めとしてもラクレットと一緒にでもどちらでも)


<食べ方>
 基本は、小さなフライパンに好みのものを入れて、上からチーズの薄切りをのせたら火にあてる、というだけです。チーズが好みの加減に溶けたら食べ頃です。フライパンにはチーズだけをのせ、溶けたチーズを野菜、ジャガイモ、パンの上からかけて食べるなど、食べ方は好みによって多種多様です。

 ラクレットには白ワインがよく合いますが、その場合は冷やしすぎないことが大事です。というのは、冷たいものを一緒に飲むと、溶けたチーズが胃の中で固まって苦しい思いをする事があるからです。一番お薦めなのは、室温で美味しく飲める赤ワインです。

 ラクレット専用グリルはないけど、試してみたいと言う方には、チーズだけフライパンやトースター(アルミホイルにのせて)で溶かし、皿によそっておいた野菜や肉類にチーズをかけて食べるという方法もあります。
料理・文・写真:石倉麻子
料理協力:Maman Gisele
当ホームページ内の画像・文章等の無断使用、無断転載を禁じます。すべての著作権はFROM MONTREAL.COMに帰属します。情報の提供、ご意見、お問い合わせは「左メニューのCONTACT」よりお願いします。
Copyright (c) 1996-2007 FROM-MONTREAL.COM All Rights Reserved