ケベック料理は、厳しく長い冬の中で昔から女性達が、数少ない材料の中から作り出してきた料理であると言われています。故に素朴で、保存の利く料理法が多いのでしょう。

 ジゼルは1960年代にノートルダム修道院の料理教室に通っています。いわゆる花嫁修業の一環なのでしょう。「当時は料理と裁縫がとっても大事だった」と言います。レシピによってはメープルシロップや、メラスを使いますが、修道院で学び彼女がアレンジを加えたレシピでは、メープルシロップの代わりにブラウンシュガーと砂糖を使用します。また、コンデンスミルクを使う友達もいますが、ぐっとカロリー低めに15%のクリームと牛乳(お好みの濃度)で仕上げます。

シュガーパイのレシピ(この分量で8インチのお皿で5枚分のパイ皮が作れます。 )

<パイ生地のレシピ>
中力粉 (All purpose flour) …4カップ 塩…大匙1 1パウンドのショートニング…454g(四角い箱に入ったものだと丸々1個)=2カップ&1/4・冷水(1カップ ) 卵…1個 酢…ここではホワイトワインビネガー大匙1

<作り方>
粉と塩を入れたボールに冷たいままのショートニングをナイフで切りながら混ぜる。小指の先ぐらいの大きさになったら、混ぜるのをやめる。それ以上細かくするとさっくり焼き上がらないので、注意。
真ん中に窪みを作り、そこへ冷水と黄身を入れて切るようによく混ぜる。粉っぽいところがきえるまでよく混ぜる。
白身の部分をしっかり泡立てる。フランス語ではMonte a la neigeの状態まで泡立てる、といいます。泡立った白身を加えて、混ぜる。
生地をまとめてクッキングシートにくるみ、さらにビニール袋で覆って冷蔵庫で2時間休める。休めている間にシュガーパイの中身を作ります。

<シュガーパイの中身のレシピ>
白砂糖…1カップ ブラウンシュガー…1カップ 小麦粉(中力粉)…大匙2 バター…大匙1 牛乳/クリーム…それぞれ1/2カップ 温度計…100度以上計れるもの

<作り方>
粉、砂糖類をを鍋に入れてさっと混ぜ、牛乳とクリームを加え、大匙1のバターを入れて火にかける。 中火でかき混ぜながら沸騰させ、沸騰したらすぐ温度をチェック。その時点で(120度で)火から下ろす。
2時間後、パイ生地を冷蔵庫から取り出し、大体5等分に分ける。(1つで蓋になる部分と、受け皿になる分を作ります。)使わない分はこの時点で冷凍してください。パイ生地を作るときよく何度も重ね直して伸ばしますが、ここでは1回きり、楽。
中身を入れます。淵に牛乳を塗ります。4方向に均一に伸ばし、4つ折にしてパイ皿に生地をのせます。そこで淵からはみだした部分をナイフを皿に逸らせながら、切り落とします。
蓋をかぶせ同じ要領で、余分なパイを切り落としたら、両手を使って襞を作ります。(写真同様に表面に模様をつけたい場合、4つ折にした時点で三角の頂点を切り、ナイフで3本線を入れる)表面に牛乳をぬり、温めたオーブンで30〜40分焼きます。
冷めたら冷凍庫に入れて保存できます。アイスクリームと一緒に食べても美味。

飲み物の話♪

 今回はパイと同じくらいに、この飲み物の楽しみ方を是非知っていただきたいと思っています。その飲み物はアイスワイン。この甘いワイン、びっくりする程シュガーパイと合います。というか、アイスワインをデザートワインとして楽しむなら、シュガーパイを添えて欲しいくらいです。日本の方にとっては、なかなかカナダのお土産、という範囲のイメージを超えられないアイスワインでありますが、このデザートとアイスワインという組み合わせ、じわじわと広めて行きたいという野望すら抱いています。アイスワインにも色々種類がありますので、試してみてくださいね。

料理・文・写真:石倉麻子
料理協力:Maman Gisele
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